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不動産業開業・宅建免許申請

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平成19年度のサイトマップ
1問目 意思表示関係
2問目 代理人を選任するための要件と概要
3問目 物権変動~誰が正当な者か
4問目 共有物はみんなの物
5問目 不法行為~被害者保護にはどうする
6問目 物権変動~対抗関係に立つか当事者の関係
7問目 担保物権あれこれ
8問目 根抵当権の特徴を理解せよ
9問目 債権譲渡をした場合最後に笑うのは誰
10問目 売買契約のトラブルは誰が責任をとる?
11問目 瑕疵担保責任の責任はどこまで
12問目 相続があった時の権利と義務
13問目 賃貸借と使用継続の関係
14問目 借地借家法は誰が保護されるか
15問目 区分所有法~規約はマンションの最高法規
16問目 不動産登記法の共同申請主義を理解していますか
17問目 国土利用計画法の事後届出制度
18問目 都市計画法の概要
19問目 建築制限と開発行為
20問目 開発許可の必要な場合の理解
21問目 建築基準法の建築物を建てる時の規制
22問目 建築基準法~低層住宅の色々な規制
23問目 宅地造成等規制法~造成宅地防災区域が創設されました
24問目 土地区画整理法~地元の人の利便を考える
25問目 農地法~農地とは何か
26問目 所得税~買換えの特例の要件
27問目 相続時精算課税制度の特例
28問目 不動産取得税全般関係
29問目 不動産の鑑定評価の方法と概要
30問目 取引主任者の設置について
31問目 取引主任者証と登録関係
32問目 何が宅建業に当たるのかを理解せよ
33問目 宅建免許を与える基準
34問目 8種規制のうち手付金関連
35問目 重要事項説明の改正点
36問目 宅建業者への罰則
37問目 営業保証金の基本事項
38問目 広告と契約の時期の規制
39問目 媒介契約関係
40問目 重要事項説明と契約書の相違点
41問目 宅建業法8種規制
42問目 賃貸借契約の報酬内訳を理解してますか
43問目 宅建業者の規制と8種規制とを混同するな
44問目 保証協会
宅建過去問 平成19年 45問目 お客さん保護のためお上が監視しやすい方法とは
宅建過去問 平成19年 46問目 住宅金融支援機構法の目的
宅建過去問 平成19年 47問目 不当景品類及び不当表示防止法
宅建過去問 平成19年 48問目 不動産の統計問題
宅建過去問 平成19年 49問目 不動産と土地・建物
宅建過去問 平成19年 50問目 建物の知識

1問目 意思表示関係

平成19年 宅建問題の解説です。ポイントをつかみましょうね。ポイント!

 

第1問 民法 意思表示

A所有の甲土地についてのAB間の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく、 Bもその旨を知っていた。 この場合、Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば、 AB間の売買契約は有効に成立する。

だって知っていたのですから・・保護されません。 ×

 

同趣旨の過去問

Aが、 A所有の土地をBに売却する契約を締結した。Aが、自分の真意ではないと認識しながらBに対する売却の意思表示を行った場合で、 BがそのAの真意を知っていたとき、Aは、売却の意思表示の無効を主張できる。(10-7-3) ○

 

2 AB間の売買契約が、AとBとで意を通じた仮装のものであったとしても、 Aの売買契約の動機が債権者からの差押えを逃れるというものであることをBが知っていた場合には、 AB間の売買契約は有効に成立する。

 

これ、差し押さえとか書いているけど、Bを保護する必要はないですよね。 ×

 

過去問

A所有の土地につき、 AとBとの間で売買契約を締結し、Bが当該土地につき第三者との間で売買契約を締結していない場合に関して、Aが、 強制執行を逃れるために、実際には売り渡す意思はないのにBと通謀して売買契約の締結をしたかのように装った場合、 売買契約は無効である。(16-1-2)  

 

 

3 Aが第三者Cの強迫によりBとの間で売買契約を締結した場合、Bがその強迫の事実を知っていたか否かにかかわらず、 AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる。

 

Aさんは脅迫されていたのです。つまり、Bさんが善意(脅迫を知らなかったとしても)でも、Aさんを保護しないと可愛そうですよね? だからAさんは取り消せます。 ○

 

過去問

A所有の土地につき、AとBとの間で売買契約を締結し、Bが当該土地につき第三者との間で売買契約を締結していない場合に関して、Aが、 Cの強迫によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの強迫をBが知らなければ、Aは売買契約を取り消すことができない。 (16-1-4) ×

 

4 AB間の売買契約が、Aが泥酔して意思無能力である間になされたものである場合、Aは、 酔いから覚めて売買契約を追認するまではいつでも売買契約を取り消すことができ、追認を拒絶すれば、その時点から売買契約は無効となる。

 

意思「無」能力者がした契約は最初から「無効!」だから、取消しもなにもないのです。調子に乗って、飲み屋に行き、 飲み屋のおねえさんに「家買ったげるよ。よっしゃ。よっしゃ」→酔っ払っていて無効とかは言わない方がいいですよ。恨まれても知らんからね。笑  ×

 

過去問

自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関して、 買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる。17-1-2) ×

 

 

というわけで、全てここ2、3年の間の過去問の焼き直しでした。

 

ポイントは一点 「誰を保護するとバランスが取れるか?」ここですね。
 




2問目 代理人を選任するための要件と概要

代理人の選任~聞きたいポイントは代理人を選任するための要件と、 代理人を選任したときの責任関係を理解してねということ

 

平成19年 2問目

Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し、 売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

1 Bは、 やむを得ない事由があるときは、Aの許諾を得なくとも、復代理人を選任することができる。

 

任意代理人は復代理人を選任できる自由はありません。例外として、本人の許諾を得るか、又はやむを得ない事情がある場合のみ、復代理人を選任できます。

任意代理というのは、元々の信頼関係で成り立っています。自由に選任を許すと、その信頼関係が崩れる可能性があるからです。   ○

 

過去問

委任による代理人は、 本人の承諾を得たとき又はやむをえない理由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。 (56-3-3)  ○

 

2 Bが、 Bの友人Cを復代理人として選任することにつき、Aの許諾を得たときは、Bはその選任に関し過失があったとしても、 Aに対し責任を負わない。

 

3 Bが、 Aの許諾及び指名に基づき、Dを復代理人として選任したときは、Bは、 Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合、Aに対し責任を負う。

 

2番は、 任意代理人は全責任を負うことはありません。復代理人の選任及び監督についてのみ責任を負います。自由に選任できないわけですから、 当然責任も軽くしています。過失があったのだから責任は負うというのが、素直な考え方です。 

 

3番 本人の指名に従って復代理人を選任した場合は、 本人の指示があったわけですから、代理人の責任はもっと軽くなります。この場合は、 その復代理人が不適任または不誠実であることを知りながら、本人に通知することを怠ったり、 解任することを怠ったりしたことについての責任だけ負えばよいのです。だって、本人が指名したのですから・・。 代理人の責任はほとんどないですよね。

 

×、×

 

4 Bが復代理人Eを適法に選任したときは、 EはAに対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、Bの代理権は消滅する。

 

復代理人の権限の範囲はどこまででしょうか。 復代理人の権限の範囲は代理人の権限の範囲です。復代理人のの字はあくまでも、反復されるということです。復代理人の権限は代理人の権限内です。また、 復代理人を選任しても代理人は権限を失いません。その方が本人にとって都合が良いからです。

 

×

 

過去問

代理人は、復代理人を選任しても自らの代理権を失わない。(59-4-3)   ○

 

というわけで、今回の問題は「代理人を選任することによる本人の利便性と責任の調整」 問題でした。どう責任を負わせるかのバランスを考えてね。




3問目 物権変動~誰が正当な者か

物権変動~聞きたいポイントは、誰が正当な者か(勝つか)を理解して下さいという所

 

平成19年 3問目

Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1 Aと売買契約を締結したBが、 平穏かつ公然と甲土地の占有を始め、善意無過失であれば、甲土地がAの土地ではなく第三者の土地であったとしても、 Bは即時に所有権を取得することができる。

 

占有権は、法律的な安定をはかるため、 物を所持していれば、その人の物であろうと認められる権利のことです。 概念を覚えておいて下さい。このため、即時取得という制度があります。

 

これは、その物を持っている人を正当な所有者とするという者で、公信の原則を採用したものです。動産のみ認められます。 動産は取引が多いため、取引の安全のために認められた規程です。宅建は不動産の試験のため、動産に関しての記述を出すのは好きではないが、 「動産」にのみ認められるということを理解しておきましょう。×

 

2 Aと売買契約を締結したCが、 登記を信頼して売買契約を行った場合、甲土地がAの土地ではなく第三者Dの土地であったとしても、 Dの過失の有無にかかわらず、Cは所有権を取得することができる。

 

登記には公示力 (示す力)はあるが、公信力(信じさせる力)はない!原則通り、 過失により虚偽表示の類推適用の余地はあるというのが判例ではありますが、過失の有無にかかわらずという設問なので、明確に ×。

 

3 Aと売買契約を締結して所有権を取得したEは、 所有権の移転登記を備えていない場合であっても、正当な権原なく甲土地を占有しているFに対し、 所有権を主張して甲土地の明渡しを請求することができる。

 

不法占拠者、 つまり不動産を不法に占拠している者です。 Aの不動産を不法に占拠しているBは無権利者です。浮浪者が勝手に住んでいる場合や、競売の時に競売防止のため、ごっついパンチ頭若しくは、 海坊主が住んでいることがあります。

 

いわゆる占有屋と言われる方です。 不法占拠者には何の権限もありません。こわいけど。でも、とにかく不法に住んでいれば、不法占拠者です。この場合、AはBに対して、 登記が無くても不動産の所有権を対抗できます。

 

類似過去問

Aは、自己所有の建物をBに売却したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。この場合、 Cが何らの権原なくこの建物を不法占有している場合、Bは、Cに対し、この建物の所有権を対抗でき、明渡しを請求できる。 (16-3-1) ○

 

4 Aを所有者とする甲土地につき、 AがGとの間で10月1日に、Hとの間で10月10日に、それぞれ売買契約を締結した場合、G、H共に登記を備えていないときには、 先に売買契約を締結したGがHに対して所有権を主張することができる。

 

これもいいですよね。 二重譲渡の問題です。何人と契約しても契約した時点で、その契約は有効。しかし、G←A→H の場合、 GとHの間は登記の有無で決着をつけます。当然、負けた方はAに対して損害賠償の請求になりますが。×

 

類似過去問

Aの所有する土地について、 AB間で、代金全額が支払われたときに所有権がAからBに移転する旨約定して締結された売買契約に関して、Aが、 Bとの売買契約締結前に、Dとの間で本件土地を売却する契約を締結してDから代金全額を受領していた場合、 AからDへの所有権移転登記が完了していなくても、Bは、Aから所有権を取得することはできない。 (8-3-3)×

 

というわけで、1、2問目は難しいと思います。しかし、正解肢は簡単。 宅建の問題の作り方がわかりますよね?即時取得の要件は何だっけ?とか、いたずらに細かい所を負っても仕方がありません。 時間がかかる。事件は過去問で起こっている!です。




4問目 共有物はみんなの物

ポイント~共有物はみんなの物。 だから共有者間と第三者の、バランスを理解しろ

 

平成19年 4問目

A、 B及びCが、持分を各3分の1とする甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、 誤っているものはどれか。

 

(共有物と処分)

1 共有者の協議に基づかないでAから甲土地の占有使用を承認されたDは、 Aの持分に基づくものと認められる限度で甲土地を占有使用することができる。

 

Aの持分は、 あくまでも所有権です。所有権というのは、何でもできる権利です。売ったり、 担保にいれたりするのも自由です。 ○

 

類似過去問

A、B及びCが、建物を共有している(持分を各3分の1とする。)。Aは、BとCの同意を得なければ、 この建物に関するAの共有持分権を売却することはできない。(15-4-1) ×

 

(共有物の管理)

2 A、 B及びCが甲土地について、Eと賃貸借契約を締結している場合、AとBが合意すれば、Cの合意はなくとも、 賃貸借契約を解除することができる。

 

共有物の利用・改良行為。

共有物の性質を変えない範囲で、 収益を図ったり、価値を増したりする行為のことです。例えば、3人で購入した別荘を賃貸に出したり、新たにきたぞ光だ! の光ファイバーを引いたりして、価値を増したりすることです。

 

◎共有物の利用・改良関係は、持分の価格の過半数で決める必要があります。 人数の頭割りではありません。○

 

類似過去問

A・B・C3人の建物の共有(持分均一)に関して、その建物をDに賃貸している場合において、Dに賃貸借契約解除の事由があるときは、Aは、 B及びCの同意を得ることなく、Dとの契約を解除することができる。(3-5-2) ×

 

(共有物の分割)

3 A、 B及びCは、5年を超えない期間内は甲土地を分割しない旨の契約を締結することができる。

 

民法上の共有の規定は、一時的な共有関係がうまく行くことを狙っている規定です。 物の安定のために、共有関係は将来的には解消させることが望ましいのです。そこで、民法では、 各共有者はいつでも共有物の分割を請求できる。 という規定を置いています。

これには、 次の特徴がありますが、前提として、全て分割するのが望ましい方向で考えます。 ですから、 例えば持分が過半数に達しない共有者でも、いつでも共有物の分割を請求できます。

 

しかし、 共有を継続しなければならない事情があっても困りますので、各共有者は、共有物の分割を禁止する特約をすることができます。

 

分割禁止の特約は5年を超える期間には設定できません。 丁度5年まではOKです。 ○

 

類似過去問

A、B及びCが、建物を共有している(持分を各3分の1とする。)。各共有者は何時でも共有物の分割を請求できるのが原則であるが、 5年を超えない期間内であれば分割をしない旨の契約をすることができる。(15-4-4) ○

 

(共有物の放棄)

4 Aがその持分を放棄した場合には、 その持分は所有者のない不動産として、国庫に帰属する。

 

民法上では、 特別縁故者の請求が無い場合、 死亡して相続人が無い場合は、 その宙に浮いてしまった権利は、国庫に帰属(きぞく)します。 つまり、国がその権利を取得してしまうのです。

 

しかし、 知り合いどうしや家族同士の関係がうまく行くために、共有の規定があるわけですから、 宙に浮いてしまった権利は国庫より他の共有者に帰属させた方が丸く収まりますよね。そこで、共有者の1人が持分を放棄した場合や、 死亡して相続人がなく、 特別縁故者の請求も無い場合、 他の共有者に帰属することになります。 共有者に帰属させた方がしっくりするでしょう。 ×

 

類似過去問

共有者の一人が相続人なくして死亡したときは、 その持分は、国庫に帰属する。(60-7-2) ×

 

 




5問目 不法行為~被害者保護にはどうする

不法行為のポイント~被害者保護にはどうする?

 

不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

(不法行為と遅滞時期)

1 不法行為による損害賠償の支払債務は、催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥るので、 その時以降完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければならない。

 

不法行為はいつ起こるかわかりませんので、 期限の定めのない債務です。期限の定めのない債務は、債権者が請求した時から、 履行遅滞になるのが原則です。

 

しかし、 例えばひき逃げをされて、加害者が長期間に渡って分からなかった場合などは、請求のしようがありません。しかし、 現実的に被害者は痛い思いをして、後遺症なども残るかもしれません。そのため、現実的な早急の対応が必要になります。

 

そこで、 不法行為においては、不法行為が発生した時点で、加害者に責任を負わせるため、 不法行為が起こった時点から履行遅滞になります。 つまり、 先ほどのひき逃げをされた場合には、事故の時からの延滞金もあわせて請求できます。 加害者の責任追及と被害者保護のためです。○

 

類似過去問

不法行為に基づく損害賠償債務は、被害者が催告をするまでもなく、その損害の発生のときから遅滞に陥る。 (4-9-2)○

 

(不法行為の承継)

2 不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合でも、 相続の対象となる。

 

裁判で争われた事例で、 被害者が即死したときに、亡くなった本人の損害賠償請求権があると想定して、それが相続できるかというものがありました。

 

例えば、 被害者が即死した場合は、死亡してこの世にいないわけですから、被害者本人の損害賠償請求権はありません。そう考えると、 被害者本人の損害賠償請求権が、相続人に受け継がれることもないような気がします。

 

しかし、 そもそも不法行為制度は被害者側を厚く保護することに目的があります。とすれば、即死とはいえ死ぬまでにタイムラグがありますので、 被害者は死んだことを理由として加害者に損害賠償を請求できますし、 その損害賠償請求権が相続人に相続されます。

また、慰謝料請求権も相続の対象になります。  ○

 

類似過去問

甲建物の占有者である(所有者ではない。)Aは、甲建物の壁が今にも剥離しそうであると分かっていたのに、 甲建物の所有者に通知せず、そのまま放置するなど、損害発生の防止のため法律上要求される注意を行わなかった。そのために、 壁が剥離して通行人Bが死亡した。この場合、Bの相続人からの不法行為に基づく損害賠償請求に間して、Bが即死した場合、 B本人の損害賠償請求権は観念できず、その請求権の相続による相続人への承継はない。(13-10-1)  ×

 

(不法行為の連帯)

3 加害者数人が、共同不法行為として民法第719条により各自連帯して損害賠償の責任を負う場合、その1人に対する履行の請求は、 他の加害者に対してはその効力を有しない。

 

これは、 難しい問題です。参考程度でOKかと。不法行為を行う加害者は1人であるのが普通ですが、2人以上の者が共同で不法行為を行う場合もあります。 これを共同不法行為といいます。

 

この場合は、 連帯して損害賠償の義務を負いますので、2人以上のうち誰に対しても(同時でも)損害分全額の賠償を請求できます。 不法行為を行った者の過失が軽微な場合も同じです。連帯債務になりますので、連帯債務の規定を思い出して頂ければ問題は解けます (ただし、不真性連帯債務のため、時効などの絶対効はないというのが判例。しかし、そこまでは細かすぎます。)

 

また、 この共同というのは、明確ではなくても、客観的に関連性があれば認められます。加害者の誰かが全額賠償した場合は、 他の加害者に対して、負担部分を求償できます。○

 

類似過去問

Aの被用者Bと、Cの被用者Dが、A及びCの事業の執行につき、共同してEに対し不法行為をし、A、B、C及びDが、 Eに対し損害賠償債務を負担した場合、Aは、Eに対し損害賠償債務を負担したことに基づき損害を被った場合は、 損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、Bに対し、 損害の賠償又は求償の請求をすることができる。(14-11-3)○

 

(不法行為と時効)

4 不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。

 

不法行為は被害者が損害及び加害者を知った時から3年で消滅時効にかかります。 3年と短期なのは、事故があった以上、早めの処理が必要なはずですし、それ以上経つと証拠調べなども、難しくなるからです。

 

また、 1番のひき逃げで、3年以上犯人が分からない場合もありえますので、被害者が損害及び加害者を知った時からの起算です。 不法行為のときからではありません。×

 

類似過去問

Aが、その過失によってB所有の建物を取り壊し、Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関して、Bが、 不法行為による損害と加害者を知った時から1年間、損害賠償請求権を行使しなければ、当該請求権は消滅時効により消滅する。 (12-8-3) ×

 

難しい問題ですな。この問題は。でも、4番は明確に×になりますので、 回答できて欲しいけど。




6問目 物権変動~対抗関係に立つか当事者の関係

物権変動~ポイントは、対抗関係に立つか当事者の関係に立つかということ

 

平成19年 6問目

不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、 第三者とはいわゆる背信的悪意者を含まないものとする。

 

(取消しと登記)

1 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に、 売主が当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り消した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、 当該取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。

 

BがAの不動産を取得しましたが、AがAB間の売買を取り消した後で、 Bが同じ不動産をCに売却した場合の、Aから見たC、またはCから見たAも登記の有無で優劣が決まります。

 

まずは、 A → B に移転しました。

しかし、 契約を取消しましたので、Aに所有権が戻るはずです。しかし、Bはその不動産をCに売買してしまいました。

 

A ←取り消しにより戻るはずの所有権 B  取り消し後売買 → C

 

この場合も、 二重譲渡と同視します。今回は取り消し後にBからAとCに二重譲渡したと考えて下さい。

A ← B → C

 

よって ○

 

参考過去問

Aが、 Bの欺罔(もう)行為によって、A所有の建物をCに売却する契約をした場合に関して、 Cが当該建物を、詐欺について善意のDに転売して所有権移転登記を済ませても、Aは詐欺による取消しをして、 Dから建物の返還を求めることができる。(14-1-4)×

 

(解除と登記)

2 不動産売買契約に基づく所有権移転登記がなされた後に、 売主が当該契約を適法に解除した場合、売主は、その旨の登記をしなければ、 当該契約の解除後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。

 

BがAの不動産を取得したが、AがAB間の契約を解除した後で、 Bが同じ不動産をCに売却した場合の、Aから見たC、またはCから見たAも登記の有無で優劣が決まります。先ほどの取消しと同じです。

 

参考過去問

AはBに甲建物を売却し、AからBに対する所有権移転登記がなされた。AB間の売買契約の解除と第三者との関係に関して、 BがBの債権者Cとの間で甲建物につき抵当権設定契約を締結し、その設定登記をした後、 AがAB間の売買契約を適法に解除した場合、Aはその抵当権の消滅をCに主張できない。 16-9-1)○

 

(相続と登記)

3 甲不動産につき兄と弟が各自2分の1の共有持分で共同相続した後に、 兄が弟に断ることなく単独で所有権を相続取得した旨の登記をした場合、弟は、その共同相続の登記をしなければ、 共同相続後に甲不動産を兄から取得して所有権移転登記を経た第三者に自己の持分権を対抗できない。

 

次は、共同で相続した場合です。Aが死亡して、その子供B、 Cが土地を半分ずつ相続したとします。共同で相続するから、共同相続と言います。

A(死亡)

共同相続 B 1/ 2  C 1/2

 

しかし、Bは全てを勝手に自分名義にしてDに譲渡してしまいました。この場合のBは、Cの持分1/2に関してはそもそも無権利者です。 ということはDも無権利者ですね。勝手に自分名義に登記をしても、効力は生じませんから、 Cは自己の持分に関しては登記が無くてもDに対して所有権を主張できます。

 

参考過去問

Aが死亡し、それぞれ3分の1の相続分を持つAの子B、C及びD(他に相続人はいない。)が、全員、単純承認し、これを共同相続した。 この場合に相続財産である土地につき、遺産分割協議前に、Bが、CとDの同意なくB名義への所有権移転登記をし、 これを第三者に譲渡し、所有権移転登記をしても、CとDは、自己の持分を登記なくして、その第三者に対抗できる。(15-12-1)○

 

(時効と登記)

4 取得時効の完成により乙不動産の所有権を適法に取得した者は、 その旨を登記しなければ、 時効完成後に乙不動産を旧所有者から取得して所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗できない。

 

BがAの不動産を時効取得したのですが、Bの時効完成後に、 Aが同じ不動産をCに売却した場合の、Bから見たC、またはCから見たBも登記の有無で優劣が決まります。

B ←時効取得 A 時効完成後に所有権取得→C

 

BはCに対しては、 登記がなければ、不動産の所有権を対抗できません。逆に、CもBに対しては、登記がなければ不動産の所有権を対抗できません。 つまり、 先に登記した方の勝ちです。

また、 BがAの不動産を時効取得するに、 Aが同じ不動産をCに売却した場合のBとCは、対抗関係ではありません。時効取得したBが、登記はなくても、 Cに対して不動産の所有権を主張できます。

 

時効は原始取得になります。 原始=初めから所有者だったことになります。つまり、Aの土地をCに移転して、A=Cになった後に、 それをBに移転したのと同じ形になるのです。ここは、後で配信する時効の項目を読んだ後であれば、より理解できると思います。 ここでは時効取得後は対抗関係になると覚えておいて下さい。

 

参考過去問

AからB、BからCに、甲地が順次売却され、AからB対する所有権移転登記がなされた。BからCへの売却前に、 取得時効の完成により甲地の所有権を取得したEがいる場合、Eがそれを理由にして所有権登記をBから取得する前に、 Eの取得時効につき善意のCがBから甲地を購入し、かつ、所有権移転登記を受けたときは、Cは甲地の所有権をEに対抗できる。 (13-5-4)○

 

これを覚えろ!!

以上、 たくさんあるように思いますが、全て何かの「行為の後」です。とにかく「」 と覚えておけば大丈夫です。行為後は取引の安全のバランスを、登記により表示するということですね。

 




7問目 担保物権あれこれ

ポイント~担保物権の特性を理解しなさいということ

 

平成19年7問目 担保物権

担保物権に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

(先取特権)

1 建物の建築工事の費用について、 当該工事の施工を行った者が先取特権を行使するためには、あらかじめ、債務者である建築主との間で、 先取特権の行使について合意しておく必要がある。

 

先取特権(さきどりとっけん)

先取特権とは、 法律で定めた債権を有する者が、債務者の財産から優先弁済を受けることのできる担保物権です。 留置権と同じく債権者と債務者の当事者間の公平を図るために、 法律上当然に生じる法定担保物権です。 ×

 

(留置権)

2 建物の賃借人が賃貸人に対して造作買取代金債権を有している場合には、 造作買取代金債権は建物に関して生じた債権であるので、賃借人はその債権の弁済を受けるまで、 建物を留置することができる。

 

賃貸借で出てくる造作買取代金請求権は、造作について生じた債権であり、建物に関して生じた債権ではないため、 留置権は生じないというのが判例です。×

 

(質権)

3 質権は、 占有の継続が第三者に対する対抗要件と定められているため、動産を目的として質権を設定することはできるが、 登記を対抗要件とする不動産を目的として質権を設定することはできない。

 

質権は、動産と不動産、債権に対して生じます。不動産質権の対抗要件は登記です。 ×

 

参考過去問

不動産質権は登記がないと第三者に対抗できない権利である。(54-3-4)×

 

(抵当権と附加一体物)

4 借地人が所有するガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した場合、 当該建物の従物である地下のタンクや洗車機が抵当権設定当時に存在していれば、抵当権の効力はこれらの従物に及ぶ。

 

附加一体物 (ふかいったいぶつ)には抵当権の効力が及びます。

付加一体物とは、 抵当不動産と一体をなした物です。抵当不動産に付け加えられて、その不動産と経済的に一体になってしまった物です。

ア、 抵当不動産の付合物(ふごうぶつ)

宅地を抵当に入れた場合の庭石、 建物を抵当に入れた場合の雨戸など。

イ、 抵当不動産の従物(じゅうぶつ)

建物を抵当に入れた当時、 そこに備え付けられていた畳・建具など。

ウ、 権利が一体となったもの

借地上の建物に抵当権を設定した場合の、 借地権。

 

ですから ○

 

参考過去問

抵当権の効力は、 抵当権設定行為に別段の定めがあるとき等を除き、不動産に付合した物だけでなく、抵当権設定当時の抵当不動産の従物にも及ぶ。 1-7-3)○




8問目 根抵当権の特徴を理解せよ

ポイント~根抵当権は、債権と担保が離れているものです。

 

平成19年8問目

Aは、 自己所有の甲不動産につき、B信用金庫に対し、極度額を3.000万円、被担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」 とする第1順位の根抵当権を設定し、その旨の登記をした。なお、担保すべき元本の確定期日は定めなかった。

この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

(根抵当権と被担保債権の範囲 1)

1 元本の確定前に、 被担保債権の範囲を変更するには、後順位の抵当権者がいる場合は、その者の承諾を得なければならない。

 

正直なところ、根抵当権のこの辺りは非常に理解しにくいところです。そこで、後順位の抵当権その他第三者の承諾が必要なのは、 極度額の変更だけだと覚えておいて下さい。 これは、極度額が1.0億円のところが2.0億円になると、 後順位の抵当権者は配当が減りますので納得できませんよね。そこで、極度額の変更のみは、 承諾が必要としたのです。

 

ポイント~極度額の変更のみは、他の債権者の承諾が必要! 

 

参考過去問

根抵当権者は、元本の確定前において、後順位の抵当権者の承諾を得ることなく、 根抵当権の担保すべき債権の範囲を変更することができる。(1-5-2) ○

 

(根抵当権と被担保債権の範囲 2)

2 元本の確定前に、 B信用金庫から、被担保債権の範囲に属する個別債権の譲渡を受けた者は、 確定日付のある証書でAに対し債権譲渡通知を行っておけば、その債権について根抵当権を行使できる。

 

これも難しいぞ・ ・・。 ちなみに、元本の確定前はまだ債権が固まってないわけですから、元本の確定前に根抵当権者から債権を取得しても、 その債権につき根抵当権を行使することはできません。×

 

(極度額)

3 B信用金庫は、 確定した元本が極度額以下であれば、その元本に係る最後の2年分の約定金利については、極度額を超えても、 根抵当権を行使できる。

 

根抵当権の場合、後順位抵当権者は極度額の範囲内でなら、 先順位抵当権者に優先権があると承知しているものなので、利息等については満期となった最後の2年分についてだけという制度はありません。 極度額の範囲までは担保されます。1の解説も参照 ×

 

参考過去問

貸付金債権の元本が確定した場合、根抵当権者は、確定期日の被担保債権額のほか、確定期日後に生じた利息及び損害金についても、 登記された極度額に達するまで、根抵当権に基づく優先弁済権を主張することができる。(8-7-3)○

 

(根抵当権と被担保債権の範囲 3)

4 Aが友人CのためにB信用金庫との間で保証契約を締結し保証債務を負担した場合、 B信用金庫のAに対するこの保証債権は、「信用金庫取引による債権」に含まれ、この根抵当権で担保される。

 

根抵当権の債権の範囲は、「会社が仕入れる洋服の代金の範囲で、 極度額1.0億円まで」などの大筋は決まっているのですが、返済・ 借入れを極度額の範囲で繰り返すため、被担保債権は今月は8.000万円、来月は7.000万円かもしれません。つまり、 極度額の範囲内であれば、将来の取引でも担保されます。

 

ちなみに、 非担保債権の範囲を「信用金庫取引による債権」としている場合、根抵当権者と根抵当権設定者との間の保証契約に基づく保証債権も、 この根抵当権で担保されるというのが判例です。難しいレベル問題だ。 ○

 

参考過去問

根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で、設定することができる。 (12-5-1)×

 

これは、難しい問題です。長文だし。司法書士に近いレベルですね。できなくてもOK。




9問目 債権譲渡をした場合最後に笑うのは誰

ポイント~債権譲渡 債権を譲渡した場合。笑うのは誰?

債権の譲渡に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

(債権の二重譲渡)

1 指名債権が二重に譲渡され、 確定日付のある各債権譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各債権譲受人は、債務者に対し、 債権金額基準で接分した金額の弁済請求しかできない。

 

(債権譲渡の対抗要件 1)

2 指名債権の性質を持つ預託金会員制ゴルフクラブの会員権の譲渡については、 ゴルフ場経営会社が定める規定に従い会員名義書換えの手続を完了していれば、 確定日付のある債権譲渡通知又は確定日付のある承諾のいずれもない場合でも、 ゴルフ場経営会社以外の第三者に対抗できる。

 

(債権譲渡の対抗要件 2)

4 指名債権譲渡の予約契約を締結し、 この予約契約締結の事実を確定日付のある証書により債務者に通知していれば、 予約の完結によりなされる債権譲渡の効力を債務者以外の第三者に対抗することができる。

 

譲受人が一人ではなく、他にも誰かがいた場合です。

 

D←    A債権者       → 通知 → B債務者

 ↓ 

 C     AがCの他にDにも譲渡した。

 

CとDの両者に譲り渡したと通知をすると、Bは困ってしまいます。誰に払えばいいのか分かりません。そこで、 CとDの間ではAからBへの確定日付のある通知を早く出した者の勝ちとしました。

 

れは、 Aを脅して通知を出させてしまえと考える場合もありますので、キチンとした公正証書や内容証明書などで、 証拠が残るようにしなさいということです。通知をするのはあくまでもAです。

 

注意点として、 数人の譲受人の間では、確定日付の先後ではなく、その通知が到達した日時又は債務者が承諾した日時の先後により優先によります。

 

また、 事前に債権譲渡の予約契約をして、「予約しました」と通知しても、債務者以外の第三者には対抗できません。 予約段階では駄目ということです。全部 ×

 

参考過去問

Aが、AのBに対する金銭債権をCに譲渡した場合に、Aは、Cへの譲渡について、Bに対しては、 Aの口頭による通知で対抗することができるが、第三者Dに対しては、Bの口頭による承諾では対抗することができない。9-5-1)○

 

(将来債権の予約)

3 契約時点ではまだ発生していない将来債権でも、発生原因や金額などで目的債権を具体的に特定することができれば、 譲渡することができ、譲渡時点でその債権発生の可能性が低かったことは譲渡の効力を直ちに否定するものではない。

 

原則として債権譲渡をすることは自由です。 当事者全てが納得すれば、損をする人はいないからです。将来の債権でも、「予約完結時において、発生原因・金額等で識別」 ができれば問題ありません。よって○

これも、結構難しい問題です。でも、1、2、4は同じことを聞いています。 違う論点の3番を正解の肢にしているところがニクイ。宅建の問題の作成方法がわかる一問。

 




10問目 売買契約のトラブルは誰が責任をとる?

ポイント~担保責任。 売買契約で、何かトラブルがあった場合、 誰がケツを拭く(すんません。下品でした(笑。→誰が責任を取る?)

 

平成19年10問目 担保責任

平成19年9月1日にA所有の甲建物につきAB間で売買契約が成立し、 当該売買契約において同年9月30日をもってBの代金支払と引換えにAは甲建物をBに引き渡す旨合意されていた。 この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

(原始的不能)

l 甲建物が同年8月31日時点でAB両者の責に帰すことができない火災により滅失していた場合、 甲建物の売買契約は有効に成立するが、Aの甲建物引渡し債務も、Bの代金支払債務も共に消滅する。

 

(売主の債務不履行)

2 甲建物が同年9月15日時点でAの責に帰すべき火災により滅失した場合、 有効に成立していた売買契約は、Aの債務不履行によって無効となる。

 

履行不能(りこうふのう)

履行不能とは、売った物の全部は売主の物だったのですが、売主の責任で買主に渡せなくなってしまった場合です。例えば、 売主Aが買主Bに建物を売ったのですが、引渡期限前にその建物が売主Aの失火で焼失してしまったような場合です。

 

注意点として、6月2日に焼失した建物を、 それと知らずに、6月10日に売ってしまったように、売った物が契約締結時より前に消滅していた場合は、履行不能の問題にはなりません。 こういう場合原始的不能(げんしてきふのうの問題です。

原始的不能の場合は、そもそも売買契約は無効になります。

 

原始的不能とは、 契約締結の時より前に契約の目的となっているものが、無くなってしまっている場合を指します。 契約締結時に地球上に無い物を売買したわけですから。不可能つまり無効です。原始つまり、元から不可能なのです。

 

その原始的不能の原因を誰が作ったかは問いません。雷や放火のように売主の責任が無い場合は当たり前として、 売主に責任がある場合は不法行為責任は負いますが(損害賠償の対象になる)、実際に契約時に建物が無い以上、 原始的不能に変わりはありません。無効になります。

 

無効というのはどういうことでしょうか。 効力が無いの略語です。つまり契約が成立しなかったのと同じで、 売主・買主とも何らの権利・義務は生じません。

 

履行不能の場合、つまり契約後の場合は、その契約は依然として有効です。無効になることはありません。何故なら原始的不能とは違い、 売買契約時にこの地球上にある物を売買したわけですから、有効な取引です。×、×

 

参考過去問

売主甲と買主乙との間に隔地の木造建築物Aを売買する契約が締結され、乙は甲に手付金の支払いを済ませ、 所定のAの引渡期日に残金を支払うこととした。ところが、Aは、契約の締結の「前日」 に甲の責めに帰せざる事由による火災で消滅しており、甲と乙は契約当時この事実を知らなかった。売買契約は無効となり、 甲は乙に少なくとも受領済みの金銭を返還しなければならない。(51-10-1)○

 

(買主の債務不履行→危険負担)

3 甲建物が同年9月15日時点でBの責に帰すべき火災により滅失した場合、 Aの甲建物引渡し債務も、Bの代金支払債務も共に消滅する。

 

(危険負担→特約のある場合)

4 甲建物が同年9月15日時点で自然災害により滅失しても、AB間に「自然災害による建物滅失の危険は、 建物引渡しまでは売主が負担する」との特約がある場合、Aの甲建物引渡し債務も、 Bの代金支払債務も共に消滅する。

 

危険負担の問題が生じる場合、 つまり売主の「売主の責任なく」 売った物が契約締結時より後に消滅してしまった場合、買主の代金支払義務は消滅しません。

 

不公平な感じがしますよね。ただ、 実際に契約の約束をした後には、買主は転売なども自由にできます。つまり、建物は買主の支配下にあるといえます。 実際にバブルの頃には、口約束で転売などが頻繁に行われておりました。

 

それこそ、 電話一本で億単位の土地がどんどん動いていったのです。つまり、支配下にある以上は責任も負わせるという考えなのですね。結論として 「売主は建物を渡さなくてもいいけど、代金を請求できる」ということになります。

 

例えば、 買主が契約締結時に代金の一部をすでに支払っていた場合、買主は、売主からの残代金請求に応じなければならなりません。また、 建物の一部が滅失・損壊した場合でも、買主は、売主に対して代金減額請求ができません。逆に言うと、売主は建物の一部が滅失・ 損壊した場合でも、代金を減額しないで全額請求できるということです。

 

実際の分譲マンションの売買は、 特約で売主が責任を負うという項目がちっちゃい字(笑)で入っていると思いますので、ご安心を。つまり、特約も有効ということです。×、○

 

参考過去問

A所有の家屋につき、Aを売主、 Bを買主とする売買契約が成立した。当該家屋の所有権移転登記後、引渡し前に、その家屋が天災によって滅失した場合、Aは、 Bに対し代金を請求することができない。(1-9-1) ×

 

これを覚えろ!

買主保護のメニューを簡単な図にしますと、こういった形です。。

 

契約前 原始的不能 契約は無効

 

契約後  

売主に責任 あり 債務不履行 契約は有効

売主に責任 なし 危険負担  契約は有効




11問目 瑕疵担保責任の責任はどこまで

ポイント~瑕疵担保責任 売主は、 キズ物に対してどこまで責任を負う?

 

売った物がキズ物である。(瑕疵担保責任)

法律上の用語では、キズのことを瑕疵(カシ) があったと言います。例えば家を買ったら土台をシロアリさんに食べられている場合です。また、 近い将来そこに道路が通ってしまう場合など、物理的に使用不能になる場合も含みます。

 

その時にどうするかというお話しです。何? 彼氏に何とかしてもらう?いいですね。仲良くて。うちの家は悪いみたいじゃない。話しを戻しましょう。

 

請求できるもの

 

善意・無過失の買主は、契約解除と損害賠償を請求できます。

悪意の買主は、何も請求できません。

 

これを、売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)と言います。

瑕疵担保責任は隠れた瑕疵であることが必要です。

 

平成19年度11問目 瑕疵担保責任

宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1 売買契約に、 隠れた瑕疵についてのAの瑕疵担保責任を全部免責する旨の特約が規定されていても、 Aが知りながらBに告げなかった瑕疵については、Aは瑕疵担保責任を負わなければならない。

 

民法上特約をすることは自由です。したがって、例えば「売主は瑕疵に付き責任を負わない。」 という特約は有効です。 その分売買代金など安くしているはずですから。

 

ただし、 売主がシロアリに食われているのを知っていて告げなかった場合などは、売主は特約があっても責任を負います。 その場合には買主は知らない形で(つまり金額なども通常のまま)契約しているからですね。○

 

 Bが不動産に隠れた瑕疵があることを発見しても、 当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合には、 Aは瑕疵担保責任を負わない。

 

軽微なキズの場合は解除できません。 修理で直る場合などですね。契約の目的を達成できない場合(家がシロアリで傾いてしまっているなど)くらいのキズでないと、解除できません。 その場合、損害賠償のみになります。×

 

参考過去問

Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった、Aが、 この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して契約の解除を行うことができるのは、 欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。(15-10-2)○

 

3 Bが不動産に瑕疵があることを契約時に知っていた場合や、 Bの過失により不動産に瑕疵があることに気付かず引渡しを受けてから瑕疵があることを知った場合には、 Aは瑕疵担保責任を負わない。 

 

だって、知っているんですもの。 →悪意ということで、何も請求できません。

 

参考過去問

Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。Aが、 この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、AはBの担保責任を追及して契約を解除することはできないが、 この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵なのでBに対して担保責任に基づき損害賠償請求を行うことができる。(15-10-1)×

 

4 売買契約に、 瑕疵担保責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、Bが瑕疵担保責任を追及するときは、 隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。

 

この瑕疵担保の請求期間は、 瑕疵があることを知ったときから1年です。いつまでも置いておくと、売る前からの瑕疵なのか、 売った後の瑕疵なのか分からなくなるからです。○

 

参考過去問

Aが、Bに建物を売却し、 代金受領と引換えに建物を引き渡した後に、Bがこの建物に隠れた瑕疵(かし)があることを発見したが、売主の瑕疵(かし)担保責任についての特約はない。 この場合、Bが、Aに対し、この瑕疵(かし)に基づき行使できる権利は、 Bが瑕疵(かし)を知った時から1年以内に行使しなければならない。(14-9-3) ○




12問目 相続があった時の権利と義務

ポイント~相続があった時の権利と義務はどうなる

 

平成19年 12問目相続

AがBに対して1.000万円の貸金債権を有していたところ、 Bが相続人C及びDを残して死亡した場合に関する次の記述のうち、 民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1 Cが単純承認を希望し、 Dが限定承認を希望した場合には、相続の開始を知った時から3か月以内に、Cは単純承認を、 Dは限定承認をしなければならない。

 

限定承認とは

財産や借金の金額が明確でない場合に行います。 相続で得た財産の限度においてのみ被相続人の債務を弁済するという条件で権利と義務を承継することです。

 

借金の方が多い場合は、限度を超えますのでマイナス分は無くなります。単純承認や限定承認は相続人が全員でしなければなりません。 相続人により承継の仕方が違うと、複雑になってしまうからです。×

 

参考過去問

相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。(14-12-2)○

 

2 C及びDが相続開始の事実を知りながら、 Bが所有していた財産の一部を売却した場合には、C及びDは相続の単純承認をしたものとみなされる。

 

3 C及びDが単純承認をした場合には、 法律上当然に分割されたAに対する債務を相続分に応じてそれぞれが承継する。

 

単純承認とは

単純に権利も義務も全て承継することです。 相続人が数人いた場合、持分に応じて承継します。ちなみに相続人が、 相続財産の全部又は一部を隠匿 (いんとく=かくす)や処分したときは、 単純承認をしたものとみなされます。○、○

 

参考過去問

相続人が、被相続人の妻Aと子Bのみである場合(被相続人の遺言はないものとする。)の相続の承認又は放棄に関して、 A及びBは限定承認をしたが、Bが相続財産を隠匿していたとき、相続債権者は、 相続財産をもって弁済を受けられなかった債権額の2分の1について、Bに請求できる。(10-10-3)○

 

4 C及びDが相続放棄をした場合であっても、AはBの相続財産管理人の選任を請求することによって、 Bに対する貸金債権の回収を図ることが可能となることがある。

 

相続人が存在しない場合、 利害関係人又は検察官の請求により、家庭裁判所は相続財産管理人を選任しなければなりません。債権者などがいる場合、相続財産管理人により、 債権の回収をはかります。○

 

これは、 正解しましょう。




13問目 賃貸借と使用継続の関係

ポイント~賃借物を、そのまま賃借人が使用継続するか、賃貸人に戻すかのバランスが大事

 

平成19年 13問目 賃貸借

Aが所有者として登記されている甲土地上に、Bが所有者として登記されている乙建物があり、CがAから甲土地を購入した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

 

(賃貸人と賃借人とのバランス)

1 Bが甲土地を自分の土地であると判断して乙建物を建築していた場合であっても、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。

 

Bが時効取得している場合など、追い出すのが適切でない場合、請求できない場合もありえます。

○だけどよくわからない問題ですね。

 

(使用貸借)

2 BがAとの間で甲土地の使用貸借契約を締結していた場合には、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。

 

使用貸借とは

不動産などをタダで貸し借りするときの契約です。 例えば、親子の間で、親の家をタダで息子に貸している場合など。

 

使用貸借の借主は、タダで使用しているわけですから、貸主が途中でその不動産を譲渡した場合、新所有者に対抗できません。賃貸借の借主のように、登記をすれば新所有者に対抗できるということもありません。譲渡した時点で信頼関係が崩れているからです。タダだし。

 

後の特徴

○法定更新などの制度もありません。

貸主に正当事由がなくても、期間の定めのある使用貸借では、期間満了によって終了します。

○必要費もタダで使用する借主が負担します。

○当然、転貸する場合は貸主の承諾が必要です。

 

(法定更新)

3 BがAとの間で甲土地の借地契約を締結しており、甲土地購入後に借地権の存続期間が満了した場合であっても、Cは、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。

 

法定更新のことですが、これも聞き方が?の肢。 ○

 

(借地権の存続期間)

4 BがAとの間で期間を定めずに甲土地の借地契約を締結している場合には、Cは、いつでも正当事由とともに解約を申し入れて、Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。

 

借地権は30年以上の範囲で、存続期間を定めることができます。建物の借地権は構造にかかわらず最短30年です。借地権は建物を所有するためのものですが、建物は30年以上は軽くもちますから。最近は100年住宅もあります。

 

しかし、賃貸借の民法の規定は、最長20年ですから、20年を超えたら建物を壊さなければならなくなります。 それは勿体ないですよね。 そこで借主が有利な方向に民法を修正したのが、借地借家法です。かけうどんが進化したきつねうどんです。

 

また、 30年以下の存続期間を定めてしまった場合、その存続期間の定めは無効になり、存続期間は30年になります。ちなみに、当事者が存続期間を定めなかったときも、存続期間は30年になります。とにかく最低30年と覚えましょう。 定めなきは30年です。30年より長いものは有効。×

 

参考過去問

期間を定めない借地権の存続期間は、20年である。(63-13-2) ×

 

○全体的に聞きたい意図がよくわからない問題ですが、4番目が明確に×のため、4番が正解の肢として、解答してほしいところ。




14問目 借地借家法は誰が保護されるか

ポイント~賃借人が保護されるか?→借地借家法の適用があるか

 

平成19年 14問目 借地借家法

借地借家法第38条の定期建物賃貸借と同法第40条の一時使用目的の建物の賃貸借に関する次の記述のうち、 民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

例えば、 転勤の間だけ家を貸したいという場合があります。昔、コマーシャルでありましたよね。「転勤の間だけ家を貸したい!おおや!」というものが。 30歳くらい以上の方は覚えてるでしょうか。あの時にオーナー役で出てたのが、 踊る大捜査線の副所長役(スリーアミーゴ)の、斉藤 暁(さいとう さとる)さんです。懐かしいなぁ)

 

原則一時使用の場合→借地借家法の適用がない! これが重要

 

1 定期建物賃貸借契約は書面によって契約を締結しなければ有効とはならないが、 一時使用賃貸借契約は書面ではなく口頭で契約しても有効となる。

 

1、 定期建物賃貸借とは、設定に際して公正証書などの書面によって契約をするときに限り、 契約の更新がない旨を定めることができます。公正証書のみではなく、キチンとした書面にすれば大丈夫です。また、居住用・ 事業用などの建物の種類は問いません。一時使用などは口頭でOK。保護する利益が少ないから。つまり1番は○。

 

2 定期建物賃貸借契約は契約期間を1年以上とすることができるが、 一時使用賃貸借契約は契約期間を1年以上とすることができない。

 

2、定期というくらいで、期間の定めをすることに意義があります。そのため、 1年未満の存続期間でもかまいません。例え、1年未満の期間を定めても、民法のような期間の定めのない賃貸借にはならないのです。 一時使用も1年以上は問題ないため、×

 

3 定期建物賃貸借契約は契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れることはできないが、 一時使用賃貸借契約は契約期間中はいつでも賃借人から中途解約を申し入れることができる。

 

3、床面積「200m2未満の居住用建物の定期建物賃貸借の場合」、借家人は、転勤や療養、 親族の看護等によってその借家に住めなくなったときは、1ヶ月前までに家主に通知すれば、 その賃貸借契約を終了させることが出来ます。

 

さすがに転勤や病気により療養などの止むを得ない事情がある場合は、 1ヶ月という早めの期間の解約を認めました。一時使用は中途解約権はありません。 ×

 

4 賃借人が賃借権の登記もなく建物の引渡しも受けていないうちに建物が売却されて所有者が変更すると、 定期建物賃貸借契約の借主は賃借権を所有者に主張できないが、一時使用賃貸借の借主は賃借権を所有者に主張できる。

 

4、借地借家法の対抗要件は「登記か引渡し」どちらかがあればOK。しかし、 一時使用の場合は、借地借家法ではなく、登記がないと保護されません。 ×

 

★これも訳のわからない問題だと、一瞬思いました。でも、よく考えてみれば 「一時使用→借地借家法の適用がない→賃借人保護に欠ける→わかっているかい?」という問題でした。法律を推論していく、 意外にいい問題かと・・。問題を作った方と対話してしまいましたぜ・・・。




15問目 区分所有法~規約はマンションの最高法規

ポイント~規約はマンションの最高法規

規約(きやく)

規約は、マンションの憲法のようなものです。 憲法ですからマンションの最高法規としてほぼ何でも自由に決められます。

 

まず規約を定めるにはどうしたらいいでしょうか。 規約の設定・変更・廃止は、集会の決議によるのが原則です。 具体的には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です。

 

平成19年 15問目 区分所有法

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、 誤っているものはどれか。

 

1 規約は、管理者が保管しなければならない。 ただし、管理者がないときは、 建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

 

規約は、管理者が保管する必要があります。管理者とは、そのマンションを管理するために、 集会で選任された代表者のことです。管理者がない時は、建物を所有している区分所有者又はその代理人で、 規約又は集会の決議で保管者を定めます。

 

2 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、 公正証書により、建物の共用部分を定める規約を設定することができる。

 

最初に専有部分の全部を所有する者は、 後に入居する住民のために、次の4つの規約に限って、最初に単独で定めることができます。これは、最初の施工主であるデベロッパーなどが、 購入者が新築時に入居する時には、最低限決めておかなければ不便なことを、最初に単独で定めることができるようにしたものです。

 

ア、 規約共用部分に関する規約

イ、 規約敷地に関する規約

ウ、 専有部分と敷地利用権の分離処分を可能にする規約

エ、 各専有部分に対応する敷地利用権の割合を定める規約

 

この場合、住民に不利な内容にならないように、公的な公正証書という書類により作成する必要があります。

 

参考過去問

最初に建物の専有部分の全部を所有する者が、 単独で、付属の建物を共用部分とする規約を定める場合は、公正証書により行わなければならない。(61-12-1) ○

 

3 規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、 正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない。

 

マンションの住民である区分所有者は、 規約の閲覧請求ができます。その他、 利害関係人も閲覧の請求ができます。例えばマンション全体の外壁工事を行った建築屋さんなどです。この場合、 正当な理由があるときでないと、管理者は規約の閲覧を拒むことはできません。利害関係があれば見てもいいでしょう。

 

参考過去問

規約の保管は管理者が行わなければならず、その閲覧を請求できるのは、区分所有者に限られる。(57-14-2) ×

 

4 規約の保管場所は、各区分所有者に通知するとともに、 建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません。 掲示しているのですから、各区分所有者に通知などは必要ありません。だから×


これも、ほぼ過去問の焼き直しの問題です。規約とか言われると頭が痛くなりますが、「マンションのきまり」を、どうすれば「みんなのためになるか」を考えましょう。




16問目 不動産登記法の共同申請主義を理解していますか

ポイント~不動産登記法の共同申請主義を理解していますか?

 

★この問題は難し過ぎます。 参考までに。

 

権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者が共同で申請をしなければなりません。 これを共同申請主義といいます。

 

登記をすることで、 利益を受ける者(登記権利者)の他に、不利益を受ける者(登記義務者)も同時に関与させた方が、登記の真実性を確保できるからです。

 

登記上で利益を得る者が権利者で、 不利益を受ける者が義務者です。

 

例えば、 売買契約の場合、買主が登記権利者、売主が登記義務者です。また、抵当権設定契約の場合は、抵当権者が登記権利者、 抵当権設定者が登記義務者になります。

 

★とにかく、 登記上利益を得る者が権利者で、不利益を受ける者が義務者になりますので、 両者を混同しないようにして下さい。

 

平成19年 16問目 区分所有法

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 

1 表題部所有者であるAから土地を買い受けたBは、 Aと共同してBを登記名義人とする所有権の保存の登記の申請をすることができる。(19-16-1)

(マンションの場合の例外と混同させようという趣旨。この場合、Aが保存登記をしてから、AからBへの移転登記をする必要がある。×)

 

2 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、 当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。(19-16-2)

(これは○の肢。全員の合意が必要だから)

 

3 権利が法人の解散によって消滅する旨の登記がされている場合において、 当該権利がその法人の解散によって消滅したときは、登記権利者は、 単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。(19-16-3)

(人の死亡、 法人の解散によって消滅したときは、単独で抹消登記できる。権利の移転ではないため、トラブルになる可能性が低いため。○である。)

 

4 遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記は、 遺言執行者が指定されているか否かにかかわらず、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (19-16-4)

(遺言執行人がいれば、その者が義務者になる。いなければ相続人が義務者。いずれにしても、共同申請主義の原則通り。○の肢)

 

色々な登記の形態が出てきて、非常に難解な問題。司法書士に近いと思われます。これは解けなくても大丈夫。




17問目 国土利用計画法の事後届出制度

ポイント~国土法の事後届出制度を理解しましょう。

 

相場より高値での土地取引が、 その後の土地取引の目安(サンプル例)になるのを防ぐ手段の1つとして有効なのは、大規模な土地取引について、 取引後でもいいからお上に取引価格等を届け出させることです。お上がチェックできますから。

 

お正月値段のマグロのご祝儀価格が、 そのままマグロの相場になっては困ります。でも、土地の相場などは相対的なものですから、 値段が一度上がってしまうと低くなりずらいのです。隣の山田さんのところが坪50万円だったら、自分も最低同じ金額で売りたいのが人情です。

 

これが土地取引の事後届出制です。 国土利用計画法第23条の事後届出制ともいいます。

 

平成19年 17問目 国土利用計画法

国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。

 

1 (土地取引の規模)

宅地建物取引業者であるAとBが、市街化調整区域内の6.000㎡の土地について、 Bを権利取得者とする売買契約を締結した場合には、Bは事後届出を行う必要はない。

 

2 宅地建物取引業者であるCとDが、 都市計画区域外の2 haの土地について、Dを権利取得者とする売買契約を締結した場合には、 Dは事後届出を行わなければならない。

 

以下の広さのものは、事後届出が必要です。 あまり狭い土地はほっておいても問題にならないからです。

1、市街化区域内では、2,000m2以上。

2、市街化調整区域内又は未線引区域内では、 5,000m2以上。

3、 都市計画区域外(準都市計画区域を含む) は、 10,000m2以上。

 

にご=じゅう と覚えましょう。ですから、1番は×、 2番は○

 

参考過去問

Dが所有する都市計画法第5条の2に規定する準都市計画区域内に所在する面積7.000平方メートルの土地について、 Eに売却する契約を締結した場合、Eは事後届出をする必要がある。(16-16-2)×

 

3  (事後届出と罰則)

事後届出が必要な土地売買等の契約により権利取得者となった者が事後届出を行わなかった場合には、 都道府県知事から当該届出を行うよう勧告されるが、罰則の適用はない。

 

これ、引っかけ問題です。

届出をしたもう少し考えなさいと勧告された従わなかった罰則なし。

届出自体をしなかった罰則あり。

 

届出自体をしなかったのか、勧告にしたがわなかったのかにより結果は違います。 今回は届出自体をしていませんので、6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金の罰則あり。 ×

 

参考過去問

事後届出が必要な土地売買等の契約を締結したにもかかわらず、 所定の期間内にこの届出をしなかった者は、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。(18-17-4)○

 

4 (事後届出の時期)

事後届出が必要な土地売買等の契約により権利取得者となった者は、その契約の締結後、 1週間以内であれば市町村長を経由して、 1週間を超えた場合には直接、 都道府県知事に事後届出を行わなければならない。

 

事後届出をしなければならない時期は、 権利取得者が契約を締結した日から2週間以内です。 停止条件付きの土地売買等の場合は、その契約を締結した日から起算して、2週間以内に事後届出をしなければなりません。

 

○権利取得者+契約締結から2週間以内 よって×

 

参考過去問

土地売買等の契約を締結した場合には、 当事者双方は、その契約を締結した日から起算して2週間以内に、 事後届出を行わなければならない。(11-16-1) ×

 

これは、すべて過去問の範囲の問題でした。




18問目 都市計画法の概要

ポイント~都市計画法の概要を理解しよう

 

平成19年 18問目 都市計画法

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

l 高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、 建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。

 

同じ用途地域に属していても、 高い建築物を建てるのが妥当な場所もあれば、低い建築物を建てるのが望ましい場所もあります。そこで、 用途地域だけではその地区の特殊性に対応できない場合、「用途地域内で用途地域と重ねて」 、さらに「建築物の高さの最高限度や最低限度」 を制限することが必要になります。このような場所を高度地区といいます。 定義そのままの問題 ○

 

参考過去問

高度地区は、 用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、 少なくとも建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建ぺい率の最高限度、建築面積の最低限度を定めなければならない。 (14-18-2)

(ヒント これは次の高度利用地区の説明です。) ×

 

2 都市計画区域については、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、 市街化区城と市街化調整区域との区分を必ず定めなければならない。

 

区域区分に関する都市計画は、 都道府県が定めますが、これは、 都市計画上必要がある場合に定める必要があります。強制ではありません。よって ×

しかし、 次の土地の区域の全部又は一部を含む都市計画区域では、都道府県は、 区域区分を必ず定めなければなりません。 首都圏など人が多く住んでいる場所です。ざっと目を通して下さい。

 

ア、 首都圏整備法に定める既成市街地又は近郊整備地帯

イ、 近畿圏整備法に定める既成都市区域又は近郊整備区域

ウ、 中部圏開発整備法に定める都市整備地域 (以上いわゆる三大都市圏)

エ、その他大都市に係る都市計画区域 (政令指定都市の区域の全部、又は一部

  を含む都市計画区域)

 

3 地区計画の区域のうち、地区整備計画が定められている区域内において、土地の区画形質の変更又は建築物の建築を行おうとする者は、 当該行為に着手した後、遅滞なく、行為の種類、場所及び設計又は施行方法を市町村長に届け出なければならない。

 

地区計画等が定められた区域内では、 「建築物の建築」や「土地の区画形質の変更、工作物の建設、建築物の形態又は意匠(いしょう=デザインなど)の変更」 を行おうとする場合には、当該工事に着手する30日前までに、市町村長への届出が必要となります。  ×

 

参考過去問

地区計画の区域(道路・ 公園等の配置及び規模が定められている再開発等促進区又は地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、 土地の区画形質の変更、建築物の建築等を行った者は、当該行為の30日以内に、行為の種類、場所等一定の事項を市町村長に届け出なければならない。 (1-19-2)×

 

この肢は、平成1年の問題の焼き直しでした。

 

4 都市計画の決定又は変更の提案をすることができるのは、当該提案に係る都市計画の素案の対象となる土地の区域について、 当該土地の所有権又は建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権を有する者に限られる。

 

都市計画の決定または変更の堤案(決定ではない) をできるものとして、当該提案に係る土地の区域内の所有権または建物の所有を目的とする借地権(地上権・賃借権) を有する者のほか、「独立行政法人都市再生機構」、「地方住宅供給公社」 、「まちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体」等が加わりました(平成18年改正点)よって×

 

4番などは改正点ですが、 1番は定義そのものなので正解してほしい問題です。




19問目 建築制限と開発行為

ポイント~開発行為の建築制限に必要な都道府県知事の許可と例外を理解せよ。

 

平成19年 19問目 開発行為の許可関係

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、 この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。

 

1 開発許可を受けた開発区域内において、 当該開発区域内の土地について用途地域等が定められていないとき、都道府県知事に届け出れば、 開発行為に関する工事完了の公告があった後、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を建築することができる。

 

2 開発許可を受けた土地において、地方公共団体は、 開発行為に関する工事完了の公告があった後、都道府県知事との協議が成立すれば、 当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を建築することができる。

 

開発許可を受けた開発区域内の土地では、 工事完了公告があった後でも、予定建築物等以外の建築等はできないのが原則です。

 

開発許可の申請書には、造成工事の後に、 どういう用途の建築物や、特定工作物が建つかを記載します。これを、予定建築物、 予定特定工作物といいます。

例えば、マンションを建てるための開発行為ですと、 申請をしたから許可をしたのに、まったく別の建物を建てられてしまっては、秩序ある街造りにならないからです。

 

しかし、次の2つは、 工事完了公告があった後、 予定建築物等以外のものでも建築等ができます。

1. 用途地域が定められている土地

用途地域が定められている土地では、 建築基準法が法律という形で、建築できる建物を指定しているからです。

2. 都道府県知事が許可した場合

なお、 国が行う予定建築物等以外のものの建築等については、国の機関と知事との協議が成立すれば 知事の許可があったものとみなされます。

国のみです。 地方公共団体は含みません。よって1、2番とも×になります。

 

参考過去問

開発許可を受けた開発区域内において、 国が行う当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物の新築については、当該国の機関と都道府県知事との協議が成立すれば、 都道府県知事の許可があったものとみなされる。(5-20-3) ○

 

 

開発許可を受けた用途地域の定めのない開発区域内において、 開発行為に関する工事が完了した旨の公告があった後は、民間事業者は、都道府県知事が許可したときを除けば、 予定建築物以外の建築物を新築してはならない(15-19-2) ○

 

3 都道府県知事は、 市街化区域内における開発行為について開発許可をする場合、当該開発区域内の土地について、 建築物の建ぺい率に関する制限を定めることができる。

 

都道府県知事は、 用途地域の定められていない土地の区域について、 開発許可をする場合、建築物の建ぺい率、建築物の高さ、壁面の位置、 その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができます。

 

知事が上の建築物の敷地、 構造及び建築設備に関する制限を定めた場合、知事が許可したときを除いてその制限に違反した建築物を建築できなくなります。

 

用途地域の指定のない地域では、 そこに建てられる建築物については、用途による立地規制が行われませんので、住宅でも工場でも、 どんな種類の建築物であっても建てることができます。しかし、秩序ある街造りのためには、そのようなわけにはいきません。そこで、 建築についての制限を定めたのです。

 

問題では、用途地域のあるなしが読み取れないため、 ×になります。

 

参考過去問

都道府県知事は、 用途地域の定められていない土地の区域における開発行為について開発許可をする場合において必要があると認めるときは、 当該開発区域内の土地について、建築物の敷地に関する制限を定めることができる。

16-19-4) ○

 

4 市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、 公民館を建築する場合は、都道府県知事の許可を受けなくてよい。

 

これは、知事の許可はいりません。場所、規模、 誰が開発行為を行うかを問いません。公益上必要なものですから。分かりますよね。 公益上必要な建築物とは、医療施設、社会福祉施設、駅舎、公民館、教育施設のうち幼稚園・小学校・中学校・高等学校を指します。  ○

 

参考過去問

開発行為の規模が1.000m2であり、市街化調整区域内において、 図書館法に規定する図書館の建築の用に供する日的で行う開発行為は、 都市計画法による開発許可を受けなければならない。(18-19-2) ×

 

全体的には、難しい印象を受けるのですが、 特に正解肢の4番などは、昨年度の問題の焼き直しですので、正解しなければいけない問題です。




20問目 開発許可の必要な場合の理解

ポイント~開発許可が必要な場合を理解せよ。

 

平成19年 20問目 開発許可

土地の区画形質の変更に関する次の記述のうち、都市計画法による開発許可を受ける必要のないものの組合せとして、正しいものはどれか。

 

(筆者注 広さによる制限になります)

ア 市街化調整区域内における庭球場の建設の用に供する目的で行う5.000㎡の土地の区画形質の変更

 

(目的による制限)

イ 市街化調整区域内における図書館の建築の用に供する目的で行う3.000㎡の土地の区画形質の変更

 

(用途による制限)

市街化区域内における農業を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行う1.500㎡の土地の区画形質の変更

1 ア、イ

2 ア、ウ

3 イ、ウ

4 ア、イ、ウ

 

まず、開発許可を受ける必要があるのは、 開発行為を行おうとする者です。 原則として、 日本全国の全ての区域で開発許可は必要です。 日本全国のどこでも、土地の乱開発を防止する必要があるからです。

 

それでは、開発行為とは何でしょうか。 これは重要ですよ。

開発行為とは、 主として建築物の建築、又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更のこと。

 

建築物の建築とは、建築物の新築、増築(建て増し)、改築(全部又は一部の立替え)、移転 (同一敷地内の移動のこと。道路をはさんだら新築です。)のことです。建築物はすべての建築物を含みます。したがって、 居住用に限らず、店舗、倉庫、温室、畜舎、医療施設、駅舎、学校なども全て建築物です。

 

◎特定工作物には、 第一種特定工作物と第ニ種特定工作物があります。

第一種特定工作物とは、 大型で周辺の環境を悪化させるおそれがある物です。コンクリートプラント(コンクリートの製造工場)、アスファルトプラント (アスファルトの製造工場)などがあります。

 

第ニ種特定工作物とは、 建築物には当たりませんが大規模なものです。ゴルフコース及び1ha(ヘクタール=10.000m2)以上の野球場、 庭球場、動物園、遊園地、陸上競技場、墓園等です。

 

よって、 テニスコート(庭球場)は5.000m2では第二種特定工作物には当たりませんので、1番は開発許可不要です。

 

○開発行為を公益上必要な建築物の建築の目的で行う場合、 許可は不要です。

場所、規模、誰が開発行為を行うかを問いません。 公益上必要なものですから。分かりますよね。公益上必要な建築物とは、医療施設、社会福祉施設、駅舎、公民館、教育施設のうち幼稚園・ 小学校・中学校・高等学校を指します。

 

よって2番は許可不要

 

○開発行為を市街化区域外で行うときで、 農林漁業者のための建築物の建築 (畜舎・サイロ等)又は農林漁業者の居住用住居の目的でする場合、許可はいりません。

 

市街化区域で、農林漁業用の特定建設物(例えば、畜舎、温室、 サイロ等)又は、これらを営む者の居住用建築物のための開発行為を行う場合は、規模を問わず許可は不要になります。 都市近郊でお百姓さんの家や農作業上の建築物を作るのに、一々許可はいりません。

 

注意点として、 市街化区域外のみの例外です。市街化区域に関しては、 1.000㎡を超えると許可が必要になります。

 

よって3番は許可が必要

 

答えは1ですが、問題としては、開発許可が不要なものを、広さ、目的、用途にわけて理解してね。という問題。結構良問です。




21問目 建築基準法の建築物を建てる時の規制

ポイント~建築物を建てる時の規制を理解しましょう。

 

宅建過去問 平成1921問 建築基準法

 

建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築主は、 共同住宅の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が180であるものの大規模の修繕をしようとする場合、 当該工事に着手する前に、当該計画について建築主事の確認を受けなければならない。

 

建築基準法は、 建築物の安全・衛生を図ることと快適な街づくりを目指すことを目的としますので、一定の要件に該当する建築物の建築等について、 建築基準法関係の法令に違反していないことを建築主事に確認してもらう必要があります。これを、「建築確認」といいます。

 

その用途に供する部分の床面積の合計が100m2を超える特殊建築物を、 建築又は大規模修繕又は大規模模様替をしようとする場合。 都市計画区域又は準都市計画区域の内外、建築物の構造を問わず建築確認が必要です。

 

特殊建築物とは、 何かあった場合に多数の人命や、身体にかかわるおそれのある建築物です。例えば、マンション(共同住宅)や学校、展示場、百貨店、 旅館、ホテル、バー、 コンビニ、車庫などです。 事務所ビルや戸建ては含まれません。よって○

 

参考過去問

木造1階建て、 床面積 150m2のバーの改築は、建築基準法の確認を要しない。(3-21-2)  ×

 

2 居室を有する建築物の建築に際し、 飛散又は発散のおそれがある石綿を添加した建築材料を使用するときは、 その居室内における衛生上の支障がないようにするため、 当該建築物の換気設備を政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

 

居室を有する建築物で、 人が継続的に使用するものは、 その居室内において、政令で定める石綿や化学物質(ホルムアルデヒドなど)の発散による衛生上の支障がないように、 建築材料及び換気設備について、政令で定める技術的基準に適合するものとしなければなりません。

 

石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令上定めたものは、 そもそも建築材料に使ってはいけません。 いわゆるシックハウスやアスベスト対策です。 よって ×

 

参考過去問

居室を有する建築物は、 住宅等の特定の用途に供する場合に限って、 その居室内においてホルムアルデヒド及びクロルピリホスの発散による衛生上の支障がないよう、 建築材料及び換気設備について一定の技術的基準に適合するものとしなければならない。(16-21-4) ×

 

3 防火地域又は準防火地域において、 延べ面積が1,0002を超える建築物は、 すべて耐火建築物としなければならない。

 

防火地域では、 地階を含む階数が3以上、又は延べ面積が1.000m2以上。

準防火地域では、 延べ面積1.500m2を超えているか又は4階建以上のどちらかに当てはまる建築物は、 耐火建築物にする必要があります。 よって ×

 

参考過去問

準防火地域内においては、 延べ面積が1.200m2の建築物は耐火建築物としなければならない。 (16-21-1) ×

 

4 防火地域又は準防火地域において、 延べ面積が1.0002を超える耐火建築物は、  防火上有効な構造の防火壁で有効に区画し、 かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,0002以内としなければならない。

 

防火壁

延べ面積1.000m2超の建築物は、 防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ各区画の床面積の合計をそれぞれ1.000m2以内としなければなりません。

 

火災が急速に建築物全体に及ばないようにとの配慮から、 設けられた規定です。ただし、規制の趣旨からして、耐火建築物や準耐火建築物等は防火性能が高いので除外されます。 よって ×

 

参考過去問

延べ面積が2.000m2の準耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、 各区画の床面積の合計をそれぞれ500m2以内としなければならない。 (12-22-4) ×

 

よって、全て過去問の焼き直しのため、正解してほしい問題です。




22問目 建築基準法~低層住宅の色々な規制

ポイント~低層住宅の一連の規制を理解せよ

低層住宅→人が住む→だから規制が厳しい→理解してねという問題です。

 

宅建過去問 平成1922問 建築基準法・ 用途規制

第二種低層住居専用地域に指定されている区域内の土地(以下この問において 「区域内の土地」という。)に関する次の記述のうち、 建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可については考慮しないものとする。

 

1  (用途規制)

区域内の土地においては、美容院の用途に供する部分の床面積の合計が1002である2階建ての美容院を建築することができない。

 

12種類の用途地域でお話します。

1. 第1種低層住居専用地域   2. 第2種低層住居専用地域

3. 第1種中高層住居専用地域  4. 第2種中高層住居専用地域

5. 第1種住居地域       6. 第2種住居地域

7. 準住居地域        8. 近隣商業地域

9. 商業地域         10. 準工業地域

11. 工業地域         12. 工業専用地域

 

×の部分が原則的に建築できないところです。 問題は原則的に不可なところという聞き方をしますので、 ×のところを覚えて下さい。

 

店舗・ 飲食店(食堂やレストラン)。

          1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

床面積150m2以内  ×                      ×

床面積500m2以内  × ×                      ×

大規模       × × × △1△2              ×

 

1は、用途に関する部分が2階以上、かつ1.500m2以下に限り建築可能。

2は、用途に供する部分が、3.000m2以下に限り建築可能。

(ごろ合せ) いちに(12)いちにのさん(1、2、3)でお店の経営

 

よって、1502以内で2階以下は建築可能ですから、 問題は ×

 

参考過去問

第一種住居地域内においては、 床面積の合計が1.000m2の物品販売業を営む店舗を建築することはできない。(10-21-2) ×

 

2  (外壁の後退距離)

区域内の土地においては、 都市計画において建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離の限度を2m又は1.5mとして定めることができる。

 

第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域では、 都市計画で外壁の後退距離が定められたときは、その定めを守らなければなりません。

必ず定められるわけではありません。 任意で定められた場合です。外壁の後退距離というのは、敷地境界線から建築物の外壁又は、これに代わる柱の面までの距離を言います。

 

これは、1.0mか1.5mのどちらかで定めなければなりません。 よって ×

 

参考過去問

第一種低層住居専用地域内の建築物の制限に関して、 都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合においては、2mを超えない範囲で、定めなければならない。 (6-21-4)×

 

3  (建築物の高さに関する制限)

区域内の土地においては、高さが9mを超える建築物を建築することはできない。

 

第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域では、 都市計画で定められた建築物の高さの最高限度を超えてはなりません。これは必ず定められます。

 

この建築物の高さの最高限度を定める都市計画は、 10m又は12mのどちらかで定めなければなりません。 3階建てまでなどの、階数で制限することはありません。高さの制限です。

 

第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域とは、 都市計画法でお話したとおり、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域です。10mか12mの高さですと、地上3階~4階建てくらいまでが限度ですから、 空が広がった良好な住環境が確保されるというわけですね。 よって ×

 

参考過去問

第一種低層住居専用地域内及び第二種低層住居専用地域内においては、 建築物の高さは、原則として、20mを超えてはならない。(62-24-4)×

 

4  (隣地斜線制限)

区域内の土地においては、建築物を建築しようとする際、当該建築物に対する建築基準法第56条第1項第2号のいわゆる隣地斜線制限の適用はない。

 

建築物を建築するときに、 道路側は道路斜線制限があるのならば、道路側でない反対部分の土地に、いっぱいの高さで建築すればいいやと考えそうです。でも、 それでは、隣の人が困ってしまいます。

 

そこで、土地の隣地に近い部分ほど、 建築物の高さを高くすることができなくするのが、隣地斜線制限です。隣地の通風・日当たりを確保するためです。

 

この隣地斜線制限は、 第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には適用されません。 なぜでしょう? 実は3番でお話しましたが、 第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には、もっと厳しい10m又は12mという高さの制限があるからです。だから ○

 

参考過去問

第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域内における建築物については、 法第56条第1項第2号の規定による隣地斜線制限が適用される。(18-22-2)  ×

 

これ面白くていい問題です。 問題が一連の流れになっている。基礎~周辺という形で問題が発展している。こういう問題は好きですねぇ。




23問目 宅地造成等規制法~造成宅地防災区域が創設されました

ポイント~造成宅地防災区域が創設されたことを理解していますか?

 

宅建過去問 平成1923問目 宅地造成等規制法

宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、 中核市及び特例市にあってはその長をいうものとする。

 

1 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内においても、 宅地造成に伴う災害で相当数の居住者に危害を生ずるもの(以下この問において 「災害」という。)の発生のおそれが大きい一団の造成宅地の区域を造成宅地防災区域に指定することができる。

 

2 都道府県知事は、造成宅地防災区域について、当該区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、 その指定を解除することができる。

 

3 造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者等は、災害が生じないよう、 その造成宅地について擁壁の設置等の措置を講ずるよう努めなければならない。

 

4 都道府県知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、災害の防止のため必要があると認める場合は、当該造成宅地の所有者等に対し、 擁壁の設置等の措置をとることを勧告することができる。

 

造成宅地防災区域の創設。

 

ここが1番の部分

都道府県知事は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるとき、関係市町村長の意見を聴いて、 宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地 (これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成工事規制区域内の土地を除く)の区域であつて政令で定める基準に該当するものを、 造成宅地防災区域として指定することができます。

 

宅地造成工事規制区域ではないのですが、がけ崩れを起こしやすい所などを、知事が造成宅地防災区域として指定できるようにしています。例えば、 谷を埋めて作った宅地が造成宅地防災区域に指定されます。こういう所は、雨水等が谷の底に溜まりやすく、地盤全体が弱くなるため、 大地震が来たら、その土地が壊滅する恐れがあります。そこで監視を強化するために、この規制ができました。

 

ここが2番、 3番

造成宅地防災区域に指定されると、その区域内の造成宅地の所有者、管理者、占有者は、 擁壁等の設置または改造等の措置を講ずるよう努めなければならなりません。努力しろということです。また知事等は、 必要に応じて勧告や改善命令等を出せますし、造成宅地防災区域について、当該区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、 全部又は一部についてその指定を解除することができます。

 

ここが4番

知事は、造成宅地防災区域内の造成宅地について、災害の防止のため必要があると認める場合、当該造成宅地の所有者、管理者又は占有者に対し、 擁壁の設置または改造その他必要な措置を講ずるよう勧告することができます。

 

よって1番が誤りで正解肢になります。改正点でもあり、全体的に難しい印象がしますが、1番は基本的な部分のため、正解してほしいですね。




24問目 土地区画整理法~地元の人の利便を考える

ポイント~土地区画整理をする趣旨を理解しましょう。 地元の方の利便のためです。

 

土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。

 

1 土地区画整理組合を設立しようとする者は、 事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、5人以上共同して、 定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。

 

土地区画整理組合とは、 土地区画整理事業の施行を目的とする公共組合(法人格がある)で、 7人以上が共同して、 定款(組合の決まり)および事業計画を定めて、知事の認可を受けることで設立されます。 よって ×

 

2 土地区画整理組合は、 当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、 賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、その場合、 都道府県知事の認可を受けなければならない。

 

賦課金とは、組合施行の土地区画整理事業で、保留地の処分が予定価格で売れなかったりして、 事業費が不足したときに組合員に賦課する追加の負担金のことをいいます。換地処分前に、 所有権を有する組合員から当該所有権を譲り受けた者も対象です。

 

都道府県知事の認可を受ける必要はありません。 よって×

 

参考過去問

組合施行の土地区画整理事業において、換地処分前に、 施行地区内の宅地について所有権を有する組合員から当該所有権を譲り受けた者は、 当該組合の総会において賦課金徴収の議決があったときは、賦課金の納付義務を負う。(18-24-2) ○

 

3 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、 当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。

 

土地区画整理事業の施行者

土地区画整理事業を施行できるのは、個人、 土地区画整理組合、市町村、都道府県、地方住宅供給公社、独立行政法人都市再生機構、国土交通大臣、 区画整理会社 土地の所有者等と民間事業者が共同で設立する株式会社のこと。 ただし、区画整理会社は、その土地区画整理事業の施行について、都道府県知事の認可を受けなければなりません。) になります。

 

しかし、未登記の借地権者は、 施行者(組合)へのその権利(借地権)の申告が必要です。また、その権利(借地権)の移動があったときは、施行者(組合) への届出が必要です。そうしないと、 施行者が借地権者を把握できないからです。

 

要するに、通常の個人でも誰でも、土地区画整理事業を施行することができます。ただ、実際に施行される土地区画整理事業は、 土地区画整理組合が行うのが一般的です。

 

しかし、駅前などを整然とした場所にするには、役所よりも、そこの地主さんや、商店街の会長などに音頭を取ってもらった方が、 うまく行く場合もありますので、民間人(個人施行者)に、土地区画整理事業を実施させることができるのです。

 

参考過去問

組合施行事業にあっては、施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有するものは、 すべてその土地区画整理組合の組合員とされるが、未登記の借地権については、申告又は届出が必要である。 (4-27-1)

 

4 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、 施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、 当該組合の許可を受けなければならない。

 

土地区画整理事業の施行地区内(事業地)では、土地区画整理事業の施行の認可・組合の設立認可・事業計画の決定等の公告のあった日後、 換地処分の公告がある日までは、以下の行為を行うには、都道府県知事の許可 (国土交通大臣が施行するもののみは、国土交通大臣の許可)が必要になります。

ア.建築物を建築。 建築ですから、 新築、 増築、改築の全てが入ります。

イ.土地の形質の変更・ 宅地の造成等。

ウ.政令で定める移動の容易でない物件の設置・堆積(たいせき)。

 

工事のじゃまになったり、予定が狂ってしまったりする可能性のある行為を放っておくわけにはいかないのです。

 

参考過去問

建築物の建築を行わない宅地の造成については、都道府県知事への届出が必要である。(63-25-4) ×

 

正解は3番です。土地区画整理は地元に基づいたことですから、できるだけお上よりは、 地元が推進して進めてほしいという願いのあらわれですね。法律の趣旨を考えること。




25問目 農地法~農地とは何か

ポイント~農地とは何か?どのような許可が必要か理解していますか?


農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 農業者が相続により取得した市街化調整区域内の農地を自己の住宅用地として転用する場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。


相続により取得する場合許可はいりません(これを3条許可といいます)。これはわかりますよね。契約による移転ではないからです。


しかし、相続した土地を自己の用地にするわけですから、4条許可が必要になります。4条許可が必要な農地の転用とは、農地を農地以外のものにすることです。農地の所有者が自分で農地を潰してしまうことです。


具体的には、自己所有の農地に自分で住宅を建築したり、賃貸住宅を建設したり、山林にするような行為が、農地の転用に当たります。ちなみに、果樹園なども農地です。よって ×


参考過去問
農家がその所有する農地に分家住宅を建てる場合は、農地法第4条第1項の許可を受ける必要はない。(4-26-3) ×


2 住宅を建設する目的で市街化区域内の農地の所有権を取得するに当たって、あらかじめ農業委員会に届け出た場合には、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。


市街化区域内にある農地を、あらかじめ農業委員会に届け出て、転用目的で権利移動する場合、農地法の許可はいりません。


◎これを「市街化区域内特例がある」といいます。農業委員会への届出のみで足ります。5条許可を受ける必要はありません。4条も同じです。市街化調整区域には、このような特例はありませんので、注意して下さい。


参考過去問
市街化調整区域内の農地を宅地に転用する目的で所有権を取得する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば農地法第5条の許可を得る必要はない。(15-23-2)


引っかけですね。×


3 耕作する目的で原野の所有権を取得し、その取得後、造成して農地にする場合には、法第3条第1項の許可を受ける必要がある。


引掛け問題ですが、農地法上の農地とは、現に耕作の目的に供される土地です。例えば、山林原野は、それを取得した段階では、まだ現に耕作の目的に供される土地とはいえず農地ではありません。従って、そもそも農地でないものの売却は、3条許可は必要ありません。


参考過去問
農業者が山林原野を取得して、農地として造成する場合でも、農地法第3条の許可が必要である。(6-27-2) ×


4 市街化調整区域内の農地を駐車場に転用するに当たって、当該農地がすでに利用されておらず遊休化している場合には、法第4条第1項の許可を受ける必要はない。


4条許可が必要な農地かどうかは、地目などによらず現況で判断されます。3番と同じですね。利用されていなくても農地です。


参考過去問
山林を開墾し現に水田として耕作している土地であっても、土地登記簿上の地目が山林である限り、法の適用を受ける農地には当たらない。(18-25-1) ×




26問目 所得税~買換えの特例の要件

ポイント~特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例→長いので 「買換えの特例」。譲渡資産・買換え資産の要件を整理しましょう。

 

長期譲渡所得の税金は、特別控除や税率がおまけをされるのですが、 不動産自体は数千万円もするのが普通ですから、税額は高く、すぐに全額を払えない場合もあります。

 

そこで、 一定の条件を備えた不動産を売却して、新しい不動産に買換えた場合には、 新しい不動産の代金分まで売却した不動産の譲渡所得は無かったものとして、課税を繰り延べる制度が用意されています。これが、 買換えの特例です。

 

例えば、 自宅を1億円で売却して、1億2千万円の自宅に買い換えれば、売却した分の譲渡所得はかからないということです。 この買換えの特例を受けるには、次の要件を満たすことが必要です。

 

(譲渡資産の要件)

a. 居住用財産(いわゆる自宅となっている家屋、または、 自宅となっている家屋と敷地の両方)であること。

b. 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が10年を超えていること。

c. 譲渡した日の居住期間が10年以上であること。

d. 買主が特別な関係にない者であること。

e. 現在居住していること、または、居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。

 

平成19年問題26問目

租税特別措置法第36条の2の特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。

1 譲渡資産とされる家屋については、 その譲渡に係る対価の額が5,000万円以下であることが、適用要件とされている。

 

譲渡資産について、いくらまでという要件はなし ×

 

3 譲渡資産とされる家屋については、 その譲渡をした日の属する年の1月1日における所有期間が5年を超えるものであることが、 適用要件とされている。

 

10年ですね。 ×

 

参考過去問

居住用財産の買い換えをした場合の課税の特例は、 その居住用財産の所有期間が10年以下であっても適用される。(61-60-4) ×

 

(買換資産の要件)

a. 譲渡をした年の前年1月1日から、 譲渡した年の翌年の年末までの間に取得すること

b. 譲渡した年の翌年の年末までに (譲渡した年の翌年に取得したものは譲渡した年の翌々年の年末までに)居住すること。

c. 建物の床面積が50m2以上 (上限なし)であり、かつ、土地部分の面積が500m2以下(下限なし)であること

 

2 買換資産とされる家屋については、 譲渡資産の譲渡をした日からその譲渡をした日の属する年の12月31日までに取得をしたものであることが、 適用要件とされている。

 

前年から翌年です。×

 

4 買換資産とされる家屋については、 その床面積のうち自己の居住の用に供する部分の床面積が50㎡以上のものであることが、適用要件とされている。

 

これは ○

 

参考過去問

買換資産とされる家屋については、 譲渡資産の譲渡をした日からその譲渡をした日の属する年の翌年12月31日までの間に取得することが、適用要件とされている。 (14-26-3) ×

 

買換資産とされる家屋については、 その床面積のうち自己が居住の用に供する部分の床面積が50m2以上500m2以下のものであることが、 適用要件とされている。(14-26-4)×




27問目 相続時精算課税制度の特例

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

 

ポイント~相続時精算課税制度は、 税金の生前払い。

 

平成19年27問

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例( 65歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置」 及び「住宅取得等資金の贈与に限り相続時精算課税の特別控除(2,500万円)に加え、 1,000万円の住宅資金特別控除が認められる措置」 )に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。(19-27全)

l 自己の配偶者から住宅用の家屋を取得した場合には、 この特例の適用を受けることはできない。

2 住宅用の家屋の新築又は取得に要した費用の額2,500万円以上でなければ、 この特例の適用を受けることはできない。

3 床面積の3分の1を店舗として使用し、 残りの部分は資金の贈与を受けた者の住宅として使用する家屋を新築した場合には、この特例の適用を受けることはできない。(ヒント: 2/3は居住用ということ)

4 住宅取得のための資金の贈与を受けた年の1231日までに住宅用の家屋を新築若しくは取得又は増改築等をしなければ、 この特例の適用を受けることはできない。

 

正解は1番です。 以下少し長い解説ですが、重要な所。

 

相続時精算課税制度とは、 高齢化が進行するなかで、高齢者(65歳以上の親)が保有する資産を次世代(20歳以上の子)に円滑に移転すれば、 高齢者の資産の有効活用が図られ、経済の活性化に寄与します。そんな考慮のもとに、 平成15年1月1日から適用されるようになった制度です。財産をあの世に持ってはいけないので、事前に子供に渡す場合、 税金を安くしようということです。財産のリサイクルのような制度。これも住宅取得政策ですね。

 

65歳以上の親が20歳以上の子に資産を贈与した場合に、 その贈与を将来の相続を前提とした資産の移転と考え、贈与段階では、2.500万円までは贈与税が課税されない制度です。 2.500万円を超える部分についても、一律20%の税率にとどまります。

 

いわば相続税の前払い制度です。 将来、相続が発生し(親が死亡し)相続税を支払う時、すでに支払った贈与税分が精算されます。相続が発生した場合、 親の遺産にすでに贈与された財産を加算して、その合計額に対して相続税が課されますが、相続税からは、 すでに子が支払った贈与税が清算されます(払い過ぎがあれば還付され、不足があれば追徴される)。

 

例えば、 70歳のお父さんが40歳の息子に、5.000万円相当の土地を贈与したとします。 この場合、贈与時に非課税枠2.500万円を超える残り2.500万円分に、その20%である500万円の税金が課税されます。 そして、お父さんが亡くなったとき、この贈与分も含めて相続税が計算され、その税額が400万円だったとします。そうすると、 先に贈与税として、500万円支払っていますので、その差額分100万円が還付されることになります。 相続税と贈与税を一体化させたものです。

 

ア. 相続時精算課税制度の適用を受けるには、次の要件が必要です。

a. 贈与者は65歳以上の父母 贈与が住宅の新築、 取得又は増改築に充てられた場合、65歳未満でも可 (祖父母はダメ)、 受贈者は20歳以上の子(代襲相続があった場合は孫でもよい)であること (年齢は贈与の年の1月1日現在で判定します)。→贈与者の直系卑属である推定相続人 つまり1番が正解

 

b. 受贈者は、平成15年1月1日以降、 住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例(前述の550万円特例)を受けていないこと。

 

c. 住宅用家屋の新築もしくは取得または増改築等は、 資金を取得した日の属する年の翌年3月15日までになされなければなりません。

 

イ. 相続時精算課税制度の適用を受けると、次の取扱いがされます。

a. 贈与段階では、2.500万円まで贈与税が課税されず、 2.500万円を超える部分については、一律20%の税率になります。

また、 贈与が贈与が住宅の新築、 取得又は増改築に充てられた場合は2.500万円に1.000万円が上乗せされて、3.500万円までは贈与税が課税されず、 3.500万円を超える部分については、一律20%の税率になります。(3.500万円特例)。

この3.500万円特例を受けるには、親の年齢は65歳未満でもかまいませんが、

子の年齢は20歳以上でなければダメです。贈与者の年齢制限はありません。

 

b. 年間110万円までの贈与税の基礎控除が受けられなくなります。

c. 相続時精算課税制度の適用には、回数制限がありません。

以前にこの特例の適用を受けたことがあっても、 何度でも受けることができます。何度受けても、累計(合計)で2.500万円(住宅家屋のための金銭なら3.500万円)まで贈与税がかからず、 超える部分については20%の税率をかけて払えばよいということです。

 

 

ウ 住宅の要件

相続時精算課税の特例の適用が受けられる既存住宅用家屋は、 登記簿に記載された家屋の構造によって、次のように定められています。

 

a. 築年数

耐火建築物   取得の日以前25年以内に建築

耐火建築物以外 取得の日以前20年以内に建築、 又、 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準じるものに適合する一定の既存住宅

 

b. 面積

その床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら居住の用に供されていなければなりません。

 

家屋の新築、 取得に要した費用、住宅の面積についての費用や要件はありません。

 

(参考過去問)

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例 (「65歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置」及び 「住宅取得等資金の贈与に限り相続時精算課税の特別控除(2.500万円)に加え、 1.000万円の住宅資金特別控除が認められる措置」)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(16-27-全)

 

1. 増改築のために金銭の贈与を受けた場合には、 増築による床面積の増加が

  50m2以上であるか、 その工事に要した費用の額が1.000万円以上でなけ

  ればこの特例の対象とはならない。

2. 住宅取得等資金の贈与を受けた者が、その贈与を受けた日前5年以内に、

  その者又はその者の配偶者の所有する住宅用家屋に居住したことがある場

  には、 この特例の適用を受けることはできない。

3. 住宅取得等資金の贈与を受けた者について、 その贈与を受けた年の所得税

  法に定める合計所得金額が1.200万円を超えている場合でも、 この特例の

  適用を受けることができる。

4. この特例の対象となる既存住宅用家屋は、 マンション等の耐火建築物であ

  る場合には築後30年以内、 耐火建築物以外の建物である場合には築後25年

  以内のものに限られる。

 

3番




28問目 不動産取得税全般関係

不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1(免税点)

平成19年4月に土地を取得した場合に、 不動産取得税の課税標準となるべき額が30万円に満たないときには不動産取得税は課税されない。

 

課税標準が次の価格(固定資産課税台帳に登録された価格)に満たない少額の場合は、 課税標準がないとされます。したがって、不動産取得税がかかりません。この価格を不動産取得税の免税点といいます。

 

ア. 土地の取得の場合10万円 よって ×

イ. 家屋の取得の場合

a.  建築による取得23万円

b.  その他(建築以外)の取得12万円

 

(参考過去問)

不動産取得税の免税点は、土地の取得にあっては30万円、 家屋の取得のうち建築に係るものにあっては一戸につき23万円、その他の家屋の取得にあっては一戸につき12万円である。(8-30-4)  ×

 

2 (不動産取得税の納税額の控除)

平成10年4月に建築された床面積200㎡の中古住宅を法人が取得した場合の当該取得に係る不動産取得税の課税標準の算定については、 当該住宅の価格から1,200万円が控除される。

 

不動産取得税の納税額は、所得税と同じく(課税標準×税率=税額) という式で求めることができます。

 

「課税標準」は、 不動産取得税では固定資産課税台帳に登録された価格を指します。しかし、実際の課税の場面では、 登録価格がそのまま課税標準になるわけではありません。一定の金額を登録価格から差し引いて(控除して)、 課税標準を決める必要があります。

 

次の場合は、 課税標準から一定の金額が控除されます。控除される理由は、住宅取得促進政策です。家を買え!経済が回るからという理由。

 

特例適用中古住宅

次の要件を満たす、中古住宅(既存住宅)の取得については、 課税標準から一戸当たり350万円~1,200万円が控除されます(建築年数によって異なります)。

 

a. 床面積が50m2以上240m2以下であること。

b. 木造は建築後20年以内であること、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物や、 準耐火建築物は建築後25年以内であること。

または、 築年数を問わず、新耐震基準を満たすものか、昭和57年1月1日以降に建築された住宅であること。昭和57年1月1日以降に施工の場合は、 新耐震基準に適合したとみなされます。

c. 申告の手続きをすること。

d. 自己の居住用の建物であること。

この特例は、 個人の居住用住宅についてだけ適用されます。したがって、 法人が中古住宅を取得した場合や、個人が中古の賃貸アパートを取得した場合には適用されません。 よって問題は ×

 

3(税率)

平成19年4月に商業ビルの敷地を取得した場合の不動産取得税の標準税率は、 100分の3である。

 

不動産取得税の税額は、(課税標準×税率=税額)という式で求めることができますが、 税率の本則(地方税法の定め)は4%です。

ただし、 現在は特例により(平成18年4月1日~平成21年3月31日)土地・住宅では3%住宅以外の倉庫などでは3.5%です。これを標準税率といいます。 よって問題は ○

 

(参考過去問)

平成18年4月に住宅以外の家屋を取得した場合、不動産取得税の標準税率は、 100分の4である。(18-28-1) ×

 

4(適用除外)

不動産取得税は、 不動産の取得に対して課される税であるので、相続により不動産を取得した場合にも課税される。

 

次の場合、 不動産の所有権を取得しても、不動産取得税が非課税になります。

1. 海外の不動産を取得した場合

2. 相続によって取得した場合

3. 包括遺贈によって取得した場合

包括遺贈とは、 遺言により、すべて、または何分の1という形で、財産を特定の者に贈与することです。貰う者(受遺者)は民法上、 相続人と同一の権利義務を持ちます。そのため非課税になります。

4. 法人が合併によって取得した場合

5. お上が取得したとき

6. 収用による損失を土地で補償されたので、 その土地を取得した場合

7. 委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託において、受託者から委託者に信託財産を移す場合の不動産の取得

 

よって問題は ×

 

(参考過去問)

包括遺贈による不動産の取得に対しても、不動産取得税が課税される。 2-31-2) ×




29問目 不動産の鑑定評価の方法と概要

不動産の鑑定評価 ポイント~鑑定評価の方法と概要を理解すること

 

不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、不動産鑑定評価基準によれば、誤っているものはどれか。

 

1(鑑定評価の方法)

不動産の価格を求める鑑定評価の基本的な手法は、原価法、取引事例比較法及び収益還元法に大別され、原価法による試算価格を積算価格、 取引事例比較法による試算価格を比準価格、収益還元法による試算価格を収益価格という。

 

不動産の鑑定評価とは、その不動産の適正な価格や賃料はいくらになるのか、つまり不動産の「価値」はいくらかということを算定することです。下の3つの方法になります。 よって ○

 

名 称

鑑定評価の特徴

価 格

原価法

不動産の再調達に要する原価

積算価格

取引事例比較  法

不動産の取引事例または、 賃貸借等の事例

比準価格

収益還元法  

不動産から生み出されるであろう収益

収益価格

 

 

参考過去問

不動産の価格を求める鑑定評価の手法は、 不動産の再調達原価に着目する原価法、 不動産の取引事例に着目する取引事例比較法及び不動産から生み出される収益に着目する収益還元法に大別される。 (11-29-1)○

 

 

2(取引事例比較法)

取引事例比較法の適用に当たって必要な取引事例は、取引事例比較法に即応し、適切にして合理的な計画に基づき、豊富に秩序正しく収集し、 選択すべきであり、投機的取引であると認められる事例等適正さを欠くものであってはならない。

 

 

「取引事例比較法」は、鑑定する不動産と、似たような取引で付いた値段を参考にして、不動産の取引事例に着目する方式です。 多数の取引事例を集めて、そこで付いた価格の「真似」をする方式のことです。マネをするわけですから、平均的なものが求められます。 投機的なものでは「平均値」にならないからです。

 

参考過去問

取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、 かつ、地域要因及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって不動産の試算価格を求める手法である。 (9-29-3) ○

 

3(原価法の再調達減価)

再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。

 

「原価法」は、 同じ不動産を、もう一度調達したと仮定した値段を、参考にする方法であり、不動産の再調達に要する原価に着目する方式です。 簡単にいうと、同じ不動産を、今、 もう一度作ったらいくら掛かるかによって価値を求めようということです。

 

再調達原価とは、 その不動産を価格時点で(鑑定評価する時点で)、もう一度調達したと仮定した場合にかかる費用のことです。

再調達原価は、その事業に要した実際の費用にかかわりなく、標準的な費用で算出し、 再調達原価には建設業者などの利益も含まれます。 造成業者などの、建築屋さんに頼まないと作れないからです。通常かかる費用ということ。

 

参考過去問

最近造成された分譲地を更地として鑑定評価する場合について、原価法で評価する場合、再調達原価に造成業者の利益を含める必要はない。 49-28-1)×

 

 

4(収益価格を求める方法)

収益還元法は、 対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法であり、 このうち、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法をDCF(Discounted Cash Flow)という。

 

収益価格 (収益還元法による試算価格)を求めるには、「直接還元法とDCF法」 があります。

 

「直接還元法」 とは、一定期間(一般に1年)の「純」収益を還元利回りによって還元する方法です。収益価格=1年間の「純」収益 / 還元利回りという式で求めます。例えば、 私が新宿区の土地を誰かに貸したとして、1年間で5.000万円の賃料収入があったとします。その年の銀行など市中金利が、年利1% だったとすると、その土地の収益価格は、5.000/0.01=50億円ということになります。もってはないけど (笑

 

「DCF(Discounted Cash Flow)法」とは、 連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格を、 その発生時期に応じて現在価値に引き割り、それぞれを合計する方法です。 DCF法による収益価格は、シグマ(Σ)を使った難しい式で求めますので、概要だけ覚えておけば十分です。

 

DCF法は、 対象不動産の保有期間中に得られる全部の純収益と、保有期間の満了時点における対象不動産の価格(復帰価格)を元に、 収益価格を計算するものです。不動産の証券化に係る鑑定評価で、毎期の純収益の見通し等について詳細な説明が求められる場合 (資産の流動化に関する法律等)、投資家に示すために求める収益価格は、DCF法を適用しなければなりません (直接還元法ではダメです)。よって問題は、直接還元法のため、答えは ×

 

参考過去問

収益価格を求める方法には、直接還元法とDCF(Discounted Cash Flow)法とがあるが、 不動産の証券化に係る鑑定評価で毎期の純収益の見通し等について詳細な説明が求められる場合には、 DCF法の適用を原則とする。(17-29-4) ○

 

 




30問目 取引主任者の設置について

ポイント~取引主任者の設置内容を理解しましょう。


取引主任者の設置に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。


1 宅地建物取引業者Aは、1棟100戸のマンションを分譲するために案内所を設置し、当該案内所においては売買契約の申込みの受付のみを行うこととした。この場合、Aは、当該案内所に成年者である専任の取引主任者を置く必要はない。


問題は×です。以下は、事務所以外で1名以上の、専任の取引主任者を置く必要のあるところです。取引主任者の設置が必要なのは、事務所以外で商売をする場所を設けたときです。


つまり、下に掲げる場所で「契約締結若しくは、申し込みの受付を行う予定がある」ことが前提です。契約や申込みを行わないところを、監視しても、始まらないでしょ。


1.継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、事務所以外の営業所や出張所等。
2.一団(10区画以上又は10戸以上)の宅地建物の分譲を、行う場合に設置した案内所。一団というのは、ひとかたまりの集団のことです。
3.他の宅建業者が行う、一団(10区画以上又は10戸以上)の宅地建物の分譲の、代理又は媒介をする場合に設置した、案内所。
4.業務に関し、展示会、その他これに類する催しを実施する場合の、これらの催しを実施する場所(住宅展示場など)。


上の場所には場所ごとに、専任の取引主任者を置かなければなりません。兼任は駄目です。契約が同じ時間に重なったら困るでしょ。
また、案内所を宅建業者が合同で、設置、営業する場合は、いずれかの宅建業者の主任者が、1人いれば大丈夫です。


参考過去問
宅地建物取引業者A社 (甲県知事免許) の取扱主任者は、専任の取扱主任者であるBのみである。A社には専任の取引主任者Bしかいないため、別の宅地建物取引業者D社が売主となる50戸のマンション分譲の代理に係る業務を、A社とD社が共同で設置する案内所で行うことはできない。(16-33-4)
(ヒント A社かD社で一人おけばいいのです)よって×


2 宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、その事務所において、成年者である取引主任者Cを新たに専任の取引主任者として置いた。この場合、Bは、30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。


変更の届出の問題です。変更の届出とは、免許を受けた後に宅建業者名簿に記載されている事項が変わったときは、名簿を書き換える必要がありますので、免許権者に変わりましたので書き換えて下さいと、変更の届出をすることです。


変更の届出は免許権者にする必要がありますが、国土交通大臣免許を受けている宅建業者が変更の届出をする場合は、主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して、国土交通大臣にする必要があります。


次の5つの事項が変わったときです。ちなみに、変更の届出は、変更があってから30日以内にする必要があります。


ア.商号又は名称
商号は法人の場合で、名称は個人の場合です。
イ.法人業者は、役員と政令で定める使用人(支店長のこと)の氏名。
役員は監査役や非常勤の役員を含みます。氏名のみです。本籍地や住所は、含みません。
ウ.個人業者は、その者と政令で定める使用人の氏名
氏名のみです。本籍地や住所は、含みません。
エ.事務所の名称及び所在地
事務所を同一の都道府県内で増設した場合は、事務所の名称及び所在地の変更に当たりますので、変更の届出をしなければなりません。また、もしも事務所を廃止した場合は、変更の届け出ではなく、免許権者に廃業の届出をする必要があります。
オ.事務所ごとに置かれる、専任の取引主任者の氏名
よって問題は○


参考過去問
甲県に本店を、乙県に支店を設けて国土交通大臣免許を受けている宅地建物取引業者Aは、甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録を受けている取引主任者Bを本店の専任の取引主任者として従事させている。この場合に関して、Bが住所を変更した場合には、Aはその旨を甲県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならず、Bは甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。(8-39-2)
氏名のみです。だから ×


3 宅地建物取引業者Dは、その事務所の専任の取引主任者Eが3か月間入院したため、法第15条に規定する専任の取引主任者の設置要件を欠くこととなったが、その間、同条の規定に適合させるために必要な措置を執らなかった。この場合、Dは指示処分の対象になるが、業務停止処分の対象にはならない。


専任の取引主任者の人数が不足した場合
成年者である専任の取引主任者の人数が、退職等の事情で人数的な条件を満たさなくなった場合、宅建業者は2週間以内に、補充等の措置を取らなければなりません。人数が減ったからといって、直ちに宅地建物取引業法違反になり、業務停止処分などになるわけではありません。取引主任者が急に亡くなることもありますから。違反すると100万円以下の罰金です。


また、2番の問題ともからみますが、専任の取引主任者の氏名は、業者の変更の届出の対象です。そのため、2週間以内に補充などの措置を取るとともに、変更の届出も30日以内にしなければなりません。よって問題は ×


参考過去問
事務所に置くべき専任の取引主任者が欠けた場合には、2週間以内にその後任を補充する等の措置を講じなければならない。そして、後任を補充したときは、30日以内に変更の届出をしなければならない。(55-40-3) ○


4 宅地建物取引業者である法人Fの取締役Gは取引主任者であり、本店において専ら宅地建物取引業に関する業務に従事している。この場合、Fは、Gを本店の専任の取引主任者の数のうちに算入することはできない。


法人業者の役員が取引主任者であるときは、その役員が、自ら主として業務に従事する事務所等については、その役員は、その事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなされます。例えば、社長=専任の取引主任者です。よって×


参考過去問
宅地建物取引業者が法人である場合において、その役員が取引主任者であるときは、その役員が、自ら主として宅地建物取引業に従事する事務所については、その役員はその事務所に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなされる。(56-39-4) ○




31問目 取引主任者証と登録関係

ポイント~取引主任者証と登録の取扱をマスターせよ。

宅地建物取引主任者資格登録(以下この問において「登録」という。) 及び宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 甲県知事の登録を受けて、甲県に所在する宅地建物取引業者Aの事務所の業務に従事する者が、乙県に所在するAの事務所の業務に従事することとなったときは、速やかに、甲県知事を経由して、乙県知事に対して登録の移転の申請をしなければならない。


登録の移転とは、登録を受けた後で他の都道府県の宅建業者事務所で、業務に従事し、又はこれから従事しようとするときに申請できるものです。


例えば、東京で登録をしていた取引主任者が、大阪に引越して、京都の業者に勤める場合は、色々と手続きをするときに一回一回、東京から書類を取り寄せなければなりません。これでは、不便ですから、京都に登録を移した方が便利です。


登録の移転の申請は、他の都道府県の宅建業者で仕事をする(若しくは、する予定)ときにできるのです。つまり、登録の移転は、義務ではなく主任者の権利です。他の都道府県の宅建業者で仕事をするときでも、登録の移転の申請が強制されることはありません。よって ×


参考過去問
取引主任者A(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B社(乙県知事免許)に従事した場合、Aは乙県知事に対し、甲県知事を経由して登録の移転を申請しなければならない。(16-34-1)×


2 登録を受けている者で取引主任者証の交付を受けていない者が重要事項説明を行い、その情状が特に重いと認められる場合は、当該登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過するまでは、再び登録を受けることができない。


1. 不正手段による登録又は、取引主任者証の交付を受けた場合。
2. 事務禁止処分事由に該当し、情状が特に重い場合。
3. 事務禁止処分に違反した場合。
4. 取引主任者が取引主任者として、すべき事務を行い情状が特に重い場合。


以上の理由で登録消除処分を受けてから、5年経っていない者は登録できません。だって悪いことをしたわけですから。反省期間です。反省だけならサルでもできる。問題は4に当たりますね。よって○


参考過去問
取引主任者Dが、その事務に関し不正な行為をしたため、甲県知事から今年7月1日以後6カ月間取引主任者としてすべき事務の禁止の処分を受け、同年10月1日その処分に違反したとして登録を消除された場合、Dは、同年12月に登録を受けることはできない。(2-37-3)○


3 丙県知事から取引主任者証の交付を受けている取引主任者が、取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは、丙県知事に申請し、その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。


取引主任者証の交付を申請するには申請前6ヶ月以内に行われる登録している都道府県知事が指定する講習(法定講習)を受けなければならないのが原則です。登録している知事が行うというのが、ポイントです。よって ×


参考過去問
宅地建物取引主任者Aが甲県知事の宅地建物取引主任者資格登録を受けている場合に関して、Aは、宅地建物取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは、甲県知事に申請し、その申請前6月以内に行われる国土交通大臣の指定する講習を受講しなければならない。(10-30-4)×(まったく同じ過去問ですな。平成10年に出ていました。過去問は最低10年分は解きましょうね。)


4 丁県知事から取引主任者証の交付を受けている取引主任者が、取引主任者証の亡失によりその再交付を受けた後において、亡失した取引主任者証を発見したときは、速やかに、再交付された取引主任者証をその交付を受けた丁県知事に返納しなければならない。


ちなみに、取引主任者証を亡失(ぼうしつ=無くしたとき)したときは、再交付を受けられますが、再交付を受けた場合、亡失した取引主任者証を、発見したときは、速やかに発見した(古い)取引主任者証を、その交付を受けた都道府県知事に返納しなければなりません。2枚もっていても仕方がないでしょ。しかし、新しいのを返してどうするの。よって ×


参考過去問
取引主任者は、取引主任者証を亡失してその再交付を受けた場合において、亡失した取引主任者証を発見したときは、速やかに、発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。(3-40-2)


これは ○ このあたりは、ほぼ全てが過去問の焼き直しですね。




32問目 何が宅建業に当たるのかを理解せよ

ポイント~何が宅建業にあたるのかをマスターせよ。


宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 Aが、競売により取得した宅地を10区画に分割し、宅地建物取引業者に販売代理を依頼して、不特定多数の者に分譲する場合、Aは免許を受ける必要はない。


2 Bが、自己所有の宅地に自ら貸主となる賃貸マンションを建設し、借主の募集及び契約をCに、当該マンションの管理業務をDに委託する場合、Cは免許を受ける必要があるが、BとDは免許を受ける必要はない。


3 破産管財人が、破産財団の換価のために自ら売主となって、宅地又は建物の売却を反復継続して行い、その媒介をEに依頼する場合、Eは免許を受ける必要はない。


4 不特定多数の者に対し、建設業者Fが、建物の建設工事を請け負うことを前提に、当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする場合、Fは免許を受ける必要はない。


取引とは以下の8種類を指します。○が取引です。不動産屋さんのお仕事を、思い浮かべて下さい。

                  売買  交換  貸借
みずから当事者として     ○   ○   ×
他人間の契約の代理として ○   ○   ○
他人間の契約の媒介として ○   ○   ○


○交換はいわゆる物々交換です。土地と土地を交換したりすることです。
○代理は当事者から依頼されたあと、自らが代理人となって相手方と契約することです。契約は、代理人である、自分が行うのが、媒介との違いです。
○媒介(ばいかい)は、当事者から依頼されたあと、相手方(お客さん)を見つけるまでがお仕事です。いわゆる仲介業ですね。契約は、本人と相手方の当事者同士で行うのが代理との違いです。


覚えるポイントは、一点だけです。みずから当事者として貸借(若しくは、貸借人からの転貸も含まれます)する行為が×になっていますよね。


これが取引だとすると、いわゆるアパートのオーナーさんも、取引に当たってしまいますので、免許を受けなければなりません。オーナーのお婆さんに、宅建試験に受からないと家を貸せませんよといっても仕方がないでしょう。勿論、宅建業の免許を持っているオーナーさんもいらっしゃいますが、オーナーとして貸すだけであれば、免許はいりません。


ちなみに、不動産会社が会社の業務として、自らビルの貸借を行う場合も、取引にはあたりません。誰がやるかは関係ありません。
自らが貸借をする場合は取引にあたらないと覚えておいて下さい。
その他の、売買・交換・貸借の代理、媒介を行えば、取引に当たりますので、免許が必要になります。


売買・交換・貸借の代理、媒介行為が取引に当たるのですから、逆にいうと、それ以外の行為は取引に当たらないことになります。例えば宅地造成の請負や宅地・建物の単純な管理にたずさわるだけでしたら、取引には当たりませんので免許はいりません。


売買・交換・貸借の代理、媒介行為が取引に当たるのですから、逆にいうと、それ以外の行為は取引に当たらないことになります。例えば宅地造成の請負や宅地・建物の単純な管理にたずさわるだけでしたら、取引には当たりませんので免許はいりません。


以上、答えは、2番ですね。Bはオーナーさんで、Dは管理のみだから両方免許はいりません。


参考過去問
C商事株式会社が行う建物の貸借の媒介は、宅地建物取引業に当たらない。(56-36-3) ×


業として行う宅地の賃貸借の代理は、宅地建物取引業には当たる。(57-36-1) ○




33問目 宅建免許を与える基準

ポイント~免許を与える基準をマスターせよ


宅地建物取引業の免許(以下「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 甲県に本店を、乙県に支店をそれぞれ有するA社が、乙県の支店でのみ宅地建物取引業を営もうとするときは、A社は、乙県知事の免許を受けなければならない。


まずは、誰の免許が必要なのかという問題ですが、免許には「知事免許と国土交通大臣免許」があります。どちらが必要かは次のように区別されています。

ア.都道府県知事免許
1つの都道府県の区域内だけに、事務所を設置するとき。
イ.国土交通大臣免許
2つ以上の都道府県の区域内に、事務所を設置するとき。


さて、それでは事務所とは何でしょうか。


ア.本店 本店は、常に事務所です。例えば、本店では建設業を営んでいて、宅建業は支店でしか行っていなくても、本店は中心地ですから常に事務所に当たります。


イ.支店 支店は宅建業を営む場合のみ事務所になります。宅建業を行っていない支店は事務所ではありません。これは、実際に営業をしているかどうかで判断します。よって問題は ×


A県 本店 + B県 支店 → A県知事免許
宅建業     建設業
A県 本店 + B県 支店 → 国土交通大臣免許
建設業     宅建業


参考過去問
A社が、甲県に本店を、乙県に支店をそれぞれ有する場合で、乙県の支店のみで宅地建物取引業を営もうとするとき、A社は、乙県知事の免許を受けなければならない。(12-30-1) ×


2 宅地建物取引業者B社の取締役が、刑法第209条(過失傷害)の罪により罰金の刑に処せられた場合、B社の免許は取り消される。


宅建業法に違反した場合と、暴力団犯罪(脅迫罪・暴行罪・傷害罪・現場助勢罪、凶器準備集合罪、背任罪(はいにんざい))、並びに、暴力団員による不当な行為の防止に関する法律、及び暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯した場合は、懲役・禁錮未満の「罰金刑」になった場合も、その刑の執行を終ってから5年経たない者は、免許を受けることが出来ません。


申請者が法人の場合、その役員等や政令で定める使用人が、今までの1番から4番までの欠格事由のどれかに当たると、その法人(申請者)は免許を受けることができません。


ちなみに、過失傷害は、うっかりしての障害ですから通常の障害よりも罪は軽くなります。ですから ×


参考過去問
宅地建物取引業者A(法人)が甲県知事から免許を受けている場合に関して、Aの役員の1人が、刑法第209条(過失傷害)の罪により3年前に罰金の刑に処せられ、罰金を納付していることが判明した場合、甲県知事は、Aの免許を取り消さなければならない。(9-33-4)×


3 宅地建物取引業者C社が業務停止処分に違反したとして、免許を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない場合、C社は免許を受けることができない。


免許取消処分を受けた宅建業者が
ア.不正手段による免許取得
イ.業務停止事由に該当し、情状が特に重い
ウ.業務停止処分に違反


上のアからウを理由に免許を取消されてから5年経たない者は、免許を受けることが出来ません。


かって、宅建業者だった者が、不正行為を行って、免許を剥奪されたのに、直ぐに免許の復活が出来るのでは、意味がないからです。そこで免許取消し処分を受けた日から、5年間は謹慎処分にしました。


反省期間は5年間です。私も浮気がばれて、現在反省期間中です。5年間ほど、毎日納豆で暮らしています。ですから ○


参考過去問
事業休止を理由に免許を取り消された日から5年を経過しない者は、宅地建物取引業者の免許を受けられない。(52-28-3)
 × 事業休止は関係ありません。これが宅建問題の引っかけ


4 D社の取締役が、かつて破産宣告を受けたことがある場合で、復権を得てから5年を経過しないとき、D社は免許を受けることができない。


破産者で復権を得ないものは、免許を貰えません。破産者の復権というのは、破産者は借金で首が回らなくなってしまい、破産手続開始の決定があった後、裁判所で財産の整理が終わると、普通の人間に戻ります。


つまり、権利が復活するわけです。復権した場合は、直ちに免許を受けることが出来ます。法人の場合、役員が対象です。 ですから ×


参考過去問
破産者で復権を得てから5年を経過しない者は、宅地建物取引業の免許を受けることができない。(59-37-4)




34問目 8種規制のうち手付金関連

ポイント~8種規制のうち手付金関連~買主保護で考えよう。


宅地建物取引業者Aが、自ら売主となって宅地建物取引業者でない買主Bに建築工事完了前のマンションを1億円で販売する場合において、AがBから受領する手付金等に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において「保全措置」とは、同法第41条第1項の規定による手付金等の保全措置をいう。


1 Aが当該マンションの売買契約締結時に、手付金として500万円をBから受領している場合において、Bが契約の履行に着手していないときは、Aは、Bに500万円を償還すれば、当該売買契約を解除することができる。


民法では、相手方が契約の履行に着手するまでは解除できるというのと、売主からの解約は、手付の倍額を返還しなければいけないというのがポイントでした。


しかし、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの間で、手付の額は無制限でいいし、手付の性質も自由でかまいませんということになるとお客さんに不利になります。


宅建業者は商売ですから、せっかく売買契約を結んだのに、買主から手付解約されるのを防ぐため、手付を解約手付とはしない方法(単なるキャンセル時の違約金とするなど)や、手付の額を高くして、実質的にキャンセルできない方法を取ったりします。


そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、お客さんが不利にならないように、以下の2つを定めました。
ア.宅建業者が受領した手付は、常に解約手付となります。
イ.宅建業者は、代金額の20%を超える手付を受領できません。


常に解約手付となるので、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主(お客さん)は、その手付を放棄して、業者は倍額を償還(弁償)して、契約の解除をすることができます。よって ×


(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となって宅地建物取引業者でない買主Bと建物(完成物件)を売買する場合に関して、Bが手付を支払った後、代金の一部を支払った場合は、Aは、手付の倍額を償還することによる契約解除はできない。(14-40-2)
これは、契約の履行に着手しているため、既に解除はできません。×

2 AがBから手付金として1,500万円を受領するに当たって保全措置を講ずる場合、Aは、当該マンションの売買契約を締結するまでの間に、Bに対して、当該保全措置の概要を説明しなければならない。


宅建業者が手付金等を受領しようとする場合は、倒産などで、お客さんに迷惑を掛けないように、手付金等の金額に関係なく、手付金の保全措置を行う必要があります。


保全措置には、保証委託契約による保全措置、保証保険契約による保全措置、指定保管期間による保全措置の3つがありますが、自分のところはどのような保全措置を取っているかを説明すれば足ります。実際に講じている保全措置の名称のみを説明すれば大丈夫です。 よって ○


(参考過去問)
宅地建物取引業者がマンションをその建築に関する工事の完了前に自ら売主となって売買する場合、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関して、宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとするときは、売買契約成立後速やかに同条の規定による手付金等の保全措置の概要を説明しなければならない。(60-47-1)
(ヒント 引っ掛けです。合っているように思えるが、契約成立後)×


3 AがBから手付金として1,500万円を受領しようとする場合において、当該マンションについてBへの所有権移転の登記がされたときは、Aは、保全措置を講じなくてもよい。


宅建業者が自ら売主となり、かつ、買主が宅建業者でない場合、宅建業者は、手付金等の保全措置を講じる前には、工事完了前の物件の場合、代金額の5%を超え又は1.000万円を超える手付金等を受領してはならず、工事完了後の物件の場合は、代金額の10%を超え又は1.000万円を超える手付金等を受領してはなりません。


これが、手付金等の保全措置をとる義務です。民法上は、売主が、手付金等の保全措置を講じる義務がないので、途中で売主が倒産や夜逃げをしてしまった場合どうしようもありません。


そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、宅建業者は、保全措置を講じる前に、あまり多額の手付金等を受領してはいけませんと規制してあります。


しかし、買主が所有権移転の登記を受けた場合、保全措置は不要となります。登記の名義を移転してもらっていれば、売主である宅建業者が倒産しても、買主が不動産を失う可能性はほとんどないからです。よって ○


(参考過去問)
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、Aは、当該建物が木完成であった場合でも、Bへの所有権移転の金記をすれば、Bから受け取った手付金等について、その金額を問わず法第41条に定める手付金等の保全措置を謡じる必要はない。(18-39-4)○


4 Aが1,000万円の手付金について銀行との間に保全措置を講じている場合において、Aが資金調達に困り工事請負代金を支払うことができず、当該マンションの引渡しが不可能となったときは、Bは、手付金の全額の返還を当該銀行に請求することができる。


保全措置には、銀行等の保証措置(保証委託契約)、保険事業者による保険措置(保証保険契約)、指定保管機関による保管措置(手付金等寄託契約)がありますが、3つの保全機関は、宅建業者の倒産など、手付金を返還すべき事態が生じた場合、お客さんが支払った手付金等の全額について責任を負います。


ちなみに、手付金等を受領しようとする場合、受領しようとする金額の全部について保全措置を講じる必要があります。5%や10%を超える部分ではありません。


(参考過去問)
宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって、宅地建物取引業者でない買主Bに、建築工事完了前のマンションを価格4.000万円で譲渡する契約を締結し、手付金300万円を受け取った。この場合、Aが手付金について銀行との間に保全措置を講じている場合で、Aが資金繰りに困り工事の請負代金を支払うことができず、マンションの譲渡が不可能となったときには、Bは、手付金の全額の返還を当該銀行に請求できる。(13-41-”)○




35問目 重要事項説明の改正点

ポイント~重要事項説明の重要な改正点は理解しておくこと。特に「耐震関係」。


35問目に35条の重要事項説明をもってきたのに、遊び心を感じるのは・・私だけか・・。


平成19年 35問
宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 建物の貸借の媒介において、当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは、その旨を借主に説明しなくてもよい。


説明事項 建物の売買・交換・媒介・代理、建物の貸借の媒介・代理。
建物が石綿(アスベスト)の使用の有無の、調査の結果が記録されているときは、その内容。


調査をしろというのではなく、石綿使用の有無がわからない場合、その旨説明すれば大丈夫です。調査義務まではありません。 ×


2 建物の貸借の媒介において、当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨を借主に説明しなければならない。


説明事項 宅地建物の売買・交換、媒介・代理、宅地建物の貸借の媒介・代理においてはにおいては、宅地造成規制法による宅地造成規制区域内にあるときはその旨。全ての取引が対象です。よって ○


3 平成19年10月に新築の工事に着手した建物の売買において、当該建物が指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を買主に説明しなければならない。


建物が建築物の耐震改修の促進に関する法律により、建築基準法の指定確認検査機関等による耐震診断を受けたものであるときはその内容。ただし、昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものは除きます。


つまり、昭和56年6月1日前に着手して、かつ耐震診断を受けた建物を対象にしなさいということです。


ちなみに、現在の建築基準法は昭和56年6月に施行令大改正がありました。昭和53年の宮城県沖地震後、耐震設計法が抜本的に見直され、耐震設計基準が大幅に改正されて、現在の新耐震設計基準が誕生したのです。


そこで、昭和56年6月以降は新耐震基準になるため、たとえ検査を受けても重要事項に記載しなくてもよいということになっています。


4 宅地の売買の媒介において、当該宅地の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結等の措置を講じないときは、その旨を買主に説明しなくてもよい。


説明事項 物件の瑕疵を担保すべき責任の履行に関して、保証保険契約の締結その他の措置で、国土交通省令で定めることを講ずるかとうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要 宅地建物の売買・交換及び媒介・代理時です。賃借の場合説明義務はありません。


講じないときは講じないとの説明が必要です。


以上、全てが新しい出題ですが、話題になった改正点のため、正解してほしいところです。ただ、3番の肢は悩むかも。


昭和56年6月以降は新耐震基準なのだから、例え検査を行っても告知する必要はない→昭和56年6月以降は、検査をしなくても法令が変わってるのだから大丈夫なんだ!!という思いが見えてきますな。だって、今までの法令では、ダメでしたとはいえないですから。




36問目 宅建業者への罰則

ポイント~罰則は法人も連帯責任を負わすからね。


法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。


1 Aが、建物の売買において、当該建物の将来の利用の制限について著しく事実と異なる内容の広告をした場合、Aは、甲県知事から指示処分を受けることがあり、その指示に従わなかったときは、業務停止処分を受けることがある。


2 Aが、乙県内で行う建物の売買に関し、取引の関係者に損害を与えるおそれが大であるときは、Aは、甲県知事から指示処分を受けることはあるが、乙県知事から指示処分を受けることはない。


業務停止処分ができるのは、免許権者(この場合甲県知事)又は当該都道府県知事(2番の乙県知事)です。指示処分も同じです。よって、1番は○、2番は ×


(参考過去問)
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に対する監督処分に関して、Aが、乙県の区域内の業務に関し乙県知事から指示を受け、その指示に従わなかった場合でも、甲県知事は、Aに対し業務停止の処分をすることはできない。(18-45-2) ×


3 Aが、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合、Aは、甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか、罰則の適用を受けることもある


罰則とは、宅建業法に関して一定の違反をした、業者や主任者に裁判所が行う刑法上の処分で、懲役・罰金・過料の3種類があります。一定の事由に違反すると、監督処分と同時に科されます。


罰金は100万円と50万円以下のみです。20万円などと出てきたら×です。全ての該当事由は覚えきれませんので、先程の懲役と罰金の併科を覚えて、それ以外は罰金のみという形で理解して下さい。


ア、次の場合は、100万円以下の罰金になります。
1. 免許を受けないで、宅建業を営む旨の表示をし、又は宅建業を営む目的で広告をした場合。
2. 専任の取引主任者が欠けたのに2週間以内に補充等の措置を取らなかった場合。
3. 受領できる報酬額の限度を超えて報酬を受領した場合。
4. 免許申請書にウソを書いた場合。


次の場合は、50万円以下の罰金になります。
1.37条書面の交付義務に違反した場合。
2.秘密漏洩の禁止に違反した場合。これが、問題の部分3.従業者証明書を備える義務に違反した場合。
4.従業者名簿を備える義務に違反した場合。
5.業務に関する帳簿を備える義務に違反した場合。
6.標識を掲示する義務に違反した場合。
7.変更の届出をする義務又は案内所等の届出をする義務に違反した場合。
8.報酬額の掲示義務に違反した場合。
特に帳簿や証明書関係は罰金と覚えておいて下さい。よって ○


参考過去問
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第49条の規定に違反して業務に関する帳簿を備え付けなかったときでも、罰金の刑に処せられることはない。(12-42-4)×


4 Aの従業者Bが、建物の売買の契約の締結について勧誘をするに際し、当該建物の利用の制限に関する事項で買主の判断に重要な影響を及ぼすものを故意に告げなかった場合、Aに対して1億円以下の罰金刑が科せられることがある。

次の場合は、法人に対して1億円の罰金刑がかされます。
1.不正手段による免許取得に違反した場合,
2.無免許営業の禁止に違反した場合,
3.名義貸しの禁止に違反した場合,
4.業務停止処分に違反した場合,
5.47条1号に違反した場合(例:事実不告知~耐震偽装などをつげなかった)耐震偽装絡みで出題された気がしますね。よって ○


参考過去問
法人である宅地建物取引業者の代表者が宅地又は建物の売買に関し誇大広告を行った場合、実際にその広告により被害を受けた人がいないときであっても、その代表者だけでなく、当該法人が罰金の刑に処せられることがある。(7-41-4) ○




37問目 営業保証金の基本事項

ポイント~営業保証金の基本事項を理解せよ


宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、Aは、甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。


1 Aが販売する新築分譲マンションの広告を受託した広告代理店は、その広告代金債権に関し、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。


○営業保証金から還付を受けることができるのは、宅建業に関する取引により生じた債権を持っている者です。


宅建業者との取引により生じた債権であっても、例えば広告業者の広告代金債権などは、宅建業に関する取引により生じた債権ではないので、広告業者は、営業保証金から還付を受けることはできません。よって ○


参考過去問
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関して、印刷業者Cは、Aが行う宅地建物の売買に関する広告の印刷依頼を受け、印刷物を作成し納品したが、AがCに対しその代金を支払わなかった。この場合、Cは、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。(17-33-3) ×


2 Aは、免許の有効期間の満了に伴い、営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。


公告をした旨を免許権者に把握させるために、広告をしたら遅滞なく「広告をしました」と、免許権者に届け出する必要があります。よって ○


参考過去問
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、免許失効に伴う営業保証金の取戻しのため、Aとの宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をしたときは、遅滞なく、その旨を甲県知事に届け出なければならない。(10-37-4) ○


3 Aは、マンション3棟を分譲するための現地出張所を甲県内に設置した場合、営業保証金を追加して供託しなければ、当該出張所でマンションの売買契約を締結することはできない。


4 Aの支店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,500万円を限度として、Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。


3番と4番は同時にいきます。営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の保護を考慮して、政令で定める額とされています。供託すべき営業保証金の額は、事務所の数によって決まります。


ア.主たる事務所は1,000万円です。
イ.その他の事務所は、事務所ごとに1ヵ所500万円になります。
よって、4番は○


なお、出張所や案内所等は事務所ではないので、案内所等の営業保証金の供託は不要です。よって3番は ×


参考過去問
供託しなければならない営業保証金の額は、主たる事務所につき1,000万円。他の事務所につき事務所ごとに500万円の割合による金額の合計額である。(51-29-3) ○


宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、1棟50戸のマンションの分譲を行う案内所を甲県内に設置し、その旨を甲県知事に届け出た後、営業保証金を追加して供託せずに当該案内所において分譲を開始した。宅建業法に違反しない(15-34-1) ○




38問目 広告と契約の時期の規制

ポイント~広告・契約の時期を規制しないと消費者が困るでしょ。


宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 Aは、実在しない宅地について広告又は虚偽の表示を行ってはならないが、実在する宅地については、実際に販売する意思がなくても、当該宅地の広告の表示に誤りがなければ、その広告を行うことができる。


広告に関する規制等です。簡単に言うと嘘や大げさな広告をするなということです。


常識ですよね。ちなみに、業界用語では「かまし広告とか、てんぷら」といいます。怖い世界やね。


法律的に少し難しくお話すると、次のようになります。
宅建業者は、その業務に関して広告をするときは、その広告にかかる一定事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものより著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。よって ×常識でとけます。


参考過去問
宅地の売買に関して宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が行う広告に関して、Aは、実在しない宅地について広告をすることができず、また、宅地が実在しても実際に取引する意思がない宅地について広告をすることができない。(10-42-1)


2 Aは、新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない。


3 都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について、Bが開発行為を行い貸主として貸借をしようとする場合、Aは、Bがその許可を受ける前であっても、Bの依頼により当該宅地の貸借の広告をすることができるが、当該宅地の貸借の媒介をすることはできない。


4 Aは、都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について開発行為を行いCに売却する場合、Cが宅地建物取引業者であれば、その詐可を受ける前であっても当該宅地の売買の予約を締結することができる。


○広告をしてよい時期
宅建業者は、宅地の造成又は、建物の建築に関する工事の完了前は、その工事に関して、必要とされる開発許可、建築確認、その他法令に基づく許可等の処分があった後でなければ、その工事に係る宅地または建物の売買、その他の業務に関する広告をしてはなりません。  


○契約を締結してもよい時期  
宅建業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前は、その工事に関して、必要とされる開発許可、建築確認、その他法令に基づく許可等の処分があった後でなければ、その工事に係る宅地または、建物の貸借以外の契約をしてはなりません。


   ↓この時期の広告は禁止
設計 → 建築確認    →工事中      → 完成
   ↑この時期は貸借以外の契約は禁止


あまり早い時期に広告・契約すると消費者が不利益をこうむる可能性があるからです。万が一建築の許可が下りなければ大変でしょ。賃借は影響が少ないので可です。


相手が宅建業者でも同じです。これも、過去問は色々と惑わしてきますが、とにかくこの2つに当てはまれば契約はできません。女性の色香に惑わされるのはいいけど?問題に惑わされてはいけませんよ。試験が終わるまでは。


★広告・契約の時期を聞いているのか?
賃借の契約は可能という例外の部分を聞いているのか?
相手が宅建業者の場合に例外はあるのか?(これは、相手が業者だったらOKという8種規制との混同を狙っています)。


こういった組み合わせが、ハイハイ!これね!とわかるようになれば、合格ラインにいます。


過去問はこういった形で、組み合わせて構成されます。何を聞いているのか?を理解して下さい。過去問の問いかけの参考になる問題。


参考過去問
宅地建物取引業者は、建物の建築に関する工事の完了前においては当該工事に必要となる建築基準法第6条第1項の確認があった後でなければ、当該工事に係る建物について売買契約を締結してはならないが、買主が宅地建物取引業者である場合はこの限りではない。(61-40-2)×


宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者である買主Bと建物の売買契約を締結する場合に、Aは、新築分譲マンションについて、建築基準法第6条第1項の建築確認を受ける前にBと売買契約を締結した。宅地建物取引業法の規定に違反する。(18-38-2)○


ね?過去問も同じ聞き方でしょ。




39問目 媒介契約関係

媒介契約関係ポイント~お客さんの利便と保護を考えよ


宅地建物取引業者Aは、BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。


1 Aは、Bとの間に媒介契約を締結したときは、当該契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。

媒介契約書面には、その媒介契約が、国土交通大臣が定めた「標準媒介契約約款」に基づくものかどうかの別を記載する必要があります。


標準媒介契約約款とは、お客さんの保護を考えて、国土交通大臣が定めた、媒介契約のお手本となる契約書のヒナ型です。


別に、この契約書を用いる必要はありませんが、用いていない場合でも、その点を明記する必要があるということです。用いていれば、お客さんの安心材料になります。 よって ○


参考過去問
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の媒介契約を締結したときに依頼者に交付すべき書面には、その媒介契約が国土交通大臣の定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載しなければならない。
(7-40-1) ○


2 Aは、Bとの間で媒介契約を締結し、Bに対して当該宅地を売却すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。


宅建業者は、その価額又は評価額について意見を述べるときは、同種の取引事例などを引き合いにして、依頼者の要求がなくても、その根拠を明らかにする必要があります。


プロとして相場などを述べるときは、根拠を示せということです。ちなみに、依頼者の希望より高い価額、又は評価額で媒介・代理ができるときでも意見を述べるときは、根拠を明らかにする必要があります。よって○


ちなみに根拠とは、この間、駅の近くのあのマンションが4,000万円でした。お客さんのマンションは駅からもう少し遠いので3,500万円になりますということなどです。


参考過去問
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の土地付建物の売却の媒介を依頼され、媒介契約を締結した場合に関して、Aが当該物件を売買すべき価額に対して意見を述べるときは、Bに対してその根拠を明らかにしなければならない。
(13-38-3)


3 Aは、Bとの間に専属専任媒介契約を締結したときは、当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く。)に、所定の事項を当該宅地の所在地を含む地域を対象として登録業務を現に行っている指定流通機構に登録しなければならない。


指定流通機構とは、宅地建物の物件情報を宅建業者に提供するコンピューターによるオンライン・ネットワークです。通称「レインズ」と言います。


これに登録をする利点は、全ての宅建業者が登録をするので、素早く契約の相手方を見つけることができます。依頼を受けたら、必ず登録する必要があります。パソコン上で、彼氏・彼女を探すようなものですね。


○専任媒介契約の場合は、専任媒介契約締結の日から7日以内に、登録する必要があります。
○専属専任媒介契約の場合は、専属専任媒介契約締結の日から5日以内に、登録する必要があります。
※ただし、両方とも媒介契約の当日とその業者の休業日は算入しません。 よって ○


参考過去問
宅地建物取引業者Aが、B所有の宅地の売却の媒介の依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合に関して、Aは契約の相手方を探索するため、当該宅地に関する所定の事項を媒介契約締結日から7日(休業日を含む。)以内に指定流通機構に登録する必要がある。(15-43-3) ×


4 Aは、Bとの間で有効期間を2か月とする専任媒介契約を締結する際、「Bが媒介契約を更新する旨を申し出ない場合は、有効期間満了により自動更新するものとする」旨の特約を定めることができる。


更新について。
専任媒介契約を更新するには、有効期間の満了に際して「依頼者からの申出があり、かつ、宅建業者がその申出を承諾すること」の両方が必要です。


有効期間満了時に、専任媒介契約が自動更新されることはありません。申出と承諾が必要です。お互いの相思相愛が必要だということです。恋愛と同じ。


勿論、相思相愛ですから、相手から申出があっても、相手型は断ることができます。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが、B所有の宅地の売却の媒介依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合に関して、媒介契約の有効期間の満了に際し、BからAに更新の申出があった場合、Aは更新を拒むことはできない。(16-39-2) ×




40問目 重要事項説明と契約書の相違点

ポイント~重要事項説明と契約書の相違点は理解しておこう。


平成19年40問目
宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお35面とは、同法第35規定に基づく重要事項を記載した書面を、37面とは、同法第37規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。


1 Aは、35条書面及び37条書面のいずれの交付に際しても、取引主任者をして、当該書面への記名押印及びその内容の説明をさせなければならない。


記名押印は両方必要です。ただし、契約書に関しては内容の説明はいりません。重要なところは、重要事項説明で、既に説明をしているからですね。契約書は交付するだけでOK。×


参考過去問
売主A、買主Bの間の宅地の売買について宅地建物取引業者Cが媒介をした場合に関して、Cは、AとBとの契約が成立したので、取引主任者に記名押印させ、AとBに対して契約書面を交付したが、両者に対して書面に記載された事項を説明しなかった。宅建業法に違反しない。(17-39-3) ○


2 Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Bに対し、35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。


相手が宅建業者でも、契約書は交付する必要があります。後日トラブルになった時に困るからです。しかし、重要事項説明は売主(B)に交付する必要はありません。だって、自分の物なのだから説明しても仕方がないでしょ。重要事項を説明しなければならない相手方は、要するにお客さん(買主・借主)です。売主ではありません。×


3 Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合、Aは、Cに対し、35条書面の交付を省略することができるが、37条書面の交付を省略することはできない。


両方の書面とも交付の省略はできません。Cは買主でお客さんだからです。Cが宅建業者でも一緒。2番で書いたように後でトラブルになった時に困るからです。×


参考過去問
自ら売主として宅地の売買をする場合において、買主が宅地建物取引業者であるため、重要事項を記載した書面を交付しなかった。重要事項の規定に違反しない。(18-35-1) ×


4 Aが、宅地建物取引業者Dと共同で媒介を行う場合、35条書面にAが調査して記入した内容に誤りがあったときは、Aだけでなく、Dも業務停止処分を受けることがある。


重要事項の説明義務はAとDにあります(実際にはどちらかが代表して説明しますが)。ですから ○




41問目 宅建業法8種規制

ポイント~8種規制はアマチュア保護(買主保護)の規定だ。


宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし、又は締結した場合に関して、次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。


宅建業者は、売買や交換など色々な契約にタッチするわけですが、今回は宅建業者が、自ら売主になるときのみに適用される8種類の規制のお話です。


宅建業者が「自ら売主になり」かつ、相手方が宅建業者ではない場合に適用になります。全部で8つあるので「8種規制」とか「8つの制限」と呼ばれています。


何故こういった制限ができたのかといいますと、宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合は、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係になるからです。


そのため、自ら売主となるプロの宅建業者を特別に規制して、アマチュアの買主をより保護するため8種類の規制が作られました。アマチュアを保護するという、宅建業法の目的そのままの規定です。


本試験までには、問題で、宅建業者が「売主」ときた瞬間にハイハイ8種規制絡みがきたかね?というくらいになっておいて下さいね。


1 Aは、自己の所有に属しない建物を売買する場合、Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても、その契約が停止条件付きであるときは、当該建物の売買契約を締結してはならない。


他人物売買の禁止
宅建業者が自ら売主となり、かつ、買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、他人の所有に属する宅地建物又は工事完了前の宅地建物について、売買契約(売買契約の予約を含む)を締結してはなりません。


民法上は、自己の所有に属しない物件でも、売買をすることは自由でしたよね。他人物売買は有効だとお話しました。


例えば、AはB所有の宅地を、自由にCに売却することができます。しかし、本当の所有者Bが手放すつもりがなければ、結局のところ買主Cはその物件を取得することができません。


そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、民法の原則を、一歩進めて、お客さんが有利になるように修正したのです。


また、他人と停止条件付売買契約を締結しても、その停止条件が成就するまでの間は、まだ、他人の所有に属する宅地建物を売ることはできません。


停止条件というのは、民法でお話しましたが、ある条件が成しとげられたら効力が発生する、「将来の不確実な契約」のことです。例えば、宅建試験に合格したら、家を売るなどの条件です。100%合格するとは誰も言えないため、不確実なことになります。よって、問題は ○


参考過去問
宅地建物取引業者Aが自ら売主となって宅地建物の売買契約を締結した場合に関して、Iの所有する宅地について、AはIと停止条件付で取得する売買契約を締結し、その条件が成就する前に当該物件についてJと売買契約を締結した。宅地建物取引業法の規定に違反する。(17-35-4) ○


2 売買契約の締結に際し、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める場合において、これらを合算した額が売買代金の2割を超える特約をしたときは、その特約はすべて無効となる。


損害賠償の予定額等の制限
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合に、宅建業者は、債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金額の20%を超えることとなる定めをしてはならず、これに反する特約は、代金額の20%を超える部分について無効になります。


すべて無効などという言葉はピンと反応してくださいね。何か違うと。×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合、当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、文は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならない。(18-39-2)


定めをした場合、2割を超える部分が無効ということです。よって ×


3 「建物に隠れた瑕疵があった場合、その瑕疵がAの責に帰すことのできるものでないときは、Aは瑕疵担保責任を負わない」とする特約は有効である。


瑕疵担保責任の特約の制限
宅建業者が自ら売主となり、かつ買主が宅建業者でない場合には、宅建業者は、その目的物の瑕疵担保責任に関して、民法の規定よりも買主に不利となる特約をしてはなりません。これに反する特約は無効です。


民法は無過失責任を定めています。問題は売主に責がある場合なので、売主有利ですよね?よって無効つまり ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが行う業務に関して、Aは、自ら売主として行う造成済みの宅地の売買において、買主である宅地建物取引業者と、「Aは瑕疵(かし)を担保する責任を一切負わない」旨の特約を記載した売買契約を締結した。宅地建物取引業法の規定に違反しない。(18-41-3)


相手が宅建業者だから、○ これが引っかけ。


4 Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし、3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合、Bは、当該建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払っているときでも、当該売買契約の解除をすることができる。


事務所等以外の場所で行った、買受の申込みの撤回等(クーリングオフ)
買主が物件の引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合クーリングオフはできなくなります。だって、物件の引渡しを受け、しかも代金まで全額払ったのは、よくよく考えた上での行動です。この場合、もはや衝動買いとは言えないからです。


参考過去問
宅地建物取引業者でないAは、宅地建物取引業者Bに対し、Bが売主である宅地建物について、Aの自宅付近の喫茶店で、その買受けの申込みをした。この場合、申込みの撤回を行う前にAが売買代金の一部を支払い、かつ、引渡し日を決定した場合は、Aは申込みの撤回はできない。(13-44-4)


売買代金の一部です。ですから撤回できます。×




42問目 賃貸借契約の報酬内訳を理解してますか

ポイント~賃貸借の報酬内容を理解しているか?


宅地建物取引業者A消費税課税事業者)は、B所有の建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とする定期借家契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、1か月分の借賃は13万円、保証金(Cの退去時にCに全額返還されるものとする。)は300万円とする。

1 建物が店舗用である場合、AがCから受け取ることができる報酬の限度額は、147,000円である。


貸借の媒介の場合、報酬の限度額は以下のような基準額になります。
★依頼者1人から受け取れる金額は、借賃の1ヵ月分までです。
報酬の限度額は、13万円*1.05=136,500円。よって ×


3番を先にいきますね。
3 建物が居住用である場合、AがB及びCから受け取ることができる報酬の限度額は、B及びCの承諾を得ているときを除き、それぞれ68,250円である。


居住用建物の賃貸借の媒介の場合のみは、貸主・借主双方の依頼者1人から受領できる限度額は、基準額(借賃の1ヵ月分)の2分の1までになります。


しかし、居住用建物でも、当事者(貸主か借主)の承諾を得れば、片方から最大1ヶ月分まで受領できます。ただし、合計して基準額の1ヶ月までですから、双方からの合計額は、基準額の13.0万円までになります。


基本は双方から2分の1づつ。ただし、片方から承諾を得れば1か月分受領しても可能。これがTVなどで、仲介手数料は半額です!(ちなみに媒介のみね。代理契約は1か月分でも問題ありません)といっているものの根拠です。


しかし、現実問題として、人気のある賃貸物件を契約する場合、オーナーさんが半分だすだろうか?(出さなくても人気物件などお客さんはつく)。不動産会社が5万円やそこらの手数料でやっていけるのだろうか?(だって、物件のご案内は無料ですよね?つまり何組も何件も案内してようやくお金になるわけです)。


良い悪いは別にして運用と現実は違いますし、各会社で営業戦略はあるということですが、宅建試験としては、半分づつが基本と覚えましょう。よって ○


参考過去問
アパートの賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の1ヶ月分の1/2に相当する金額以内である。(60-44-3) ○


2 Aは、媒介報酬の限度額のほかに、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して、Bから受け取ることができる。


業者は報酬以外の金銭は、原則として、受領することはできませんが、依頼者からの特別の依頼により、別途広告を出した場合の広告費用は、受領することができます。もし、取引が不成立に終わったときでも、広告料金だけは受領できます。広告をするのもタダではないからです。


しかし、宅建業者が、勝手に行った広告料金は、取引が成立しても、報酬とは別に受領することはできません。あくまでも、依頼者から特別の依頼があったときの、その広告に要した実費分のみですから、注意して下さい。不当に高いうわまえをはねてはいけません。×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが行う広告に関して、Aは、建物の貸借の媒介に当たり、依頼者の依頼に基づいて広告をした。Aは報酬とは別に、依頼者に対しその広告料金を請求することができない。(17-34-4) ×


4 定期借家契約の契約期間が終了した直後に、AがBC間の定期借家契約の再契約を成立させた場合にAが受け取る報酬については、宅地建物取引業法の規定は適用されない。


この問題は初出題ですね。定期再契約の場合も報酬規程は適用になります。上限1か月分です。ただ、各不動産会社はリピーターのお客様なので3割引きでとかやっている場合が多いかもしれません。不動産会社にいる人間ほど混乱する問題かもしれませんね。よって ×




43問目 宅建業者の規制と8種規制とを混同するな

ポイント~ 契約前後の宅建業者の規制をキチンと理解していますか?


【問 43】
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 宅地建物取引業者Aは、都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地の造成工事着手前において、当該許可を受けていない場合であっても、当該詐可を受けることを停止条件とする特約を付ければ、当該宅地の売買契約を締結することができる。


平成19年の38問目とおなじような問題ですな。
ア.工事が完了前である
イ.許可等が無い
という2つの要件が両方そろうと、契約を結んではいけません。趣旨などは、広告時期の制限と同じです。相手が宅建業者でも結論は同じです。


過去問は色々と惑わしてきますが、とにかくこの2つに当てはまれば契約はできません。女性の色香に惑わされるのはいいけど?問題に惑わされてはいけませんよ。試験が終わるまでは。 ×


参考過去問
宅地建物取引業者は、建物の建築工事着手前において、建築基準法第6条第1項の確認を受けていない場合であっても、当該確認を受けることを停止条件とする特約付きで建物の売買契約を締結することができる。(7-41-3) ×


2 宅地建物取引業者Bが自ら売主となって、宅地建物取引業者でないCと1億円のマンションの売買契約(手付金1,500万円、中間金1,500万円、残代金7,000万円)を建築工事完了前に締結し、その引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合、Bは、手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて、保全措置を講じなければならない。


自ら売主となれば、8種規制が適用ですよ。
宅建業者が自ら売主となり、かつ、買主が宅建業者でない場合、宅建業者は、手付金等の保全措置を講じる前には、工事完了前の物件の場合、代金額の5%を超え又は1.000万円を超える手付金等を受領してはならず、工事完了後の物件の場合、代金額の10%を超え又は1.000万円を超える手付金等を受領してはなりません。


買主から申込証拠金、手付金若しくはその後に中間金などを順次受領しようとする場合、手付金等の保全措置が必要な金額かどうかの判断は、各段階でしていきます。例えば、完成物件を売買する場合で、代金が5.000万円の場合は、次のようになります。


受領していくお金を手付金等に充当していって、合計額が1.000万円か5%若しくは10%を超えたときに保全が必要になります。その段階で、手付金等の合計金額がいくらになるかを確認しましょう。


参考過去問
宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって、宅地建物取引業者でない買主Bに、建築工事完了前のマンションを価格4.000万円で譲渡する契約を締結し、手付金300万円を受け取った。この場合、Aは、手付金300万円を受け取ったのち、工事中にさらに中間金として100万円をBから受け取る場合は、当該中間金についても保全措置を講ずる必要がある。(13-41-4) ○


3 宅地建物取引業Dは、取引態様の明示がある広告を見た宅地建物取引業者Eから建物の売買の注文を受けた場合、Eから取引態様の問い合わせがなければ、Eに対して、取引態様を明示する必要はない。


お客さんは取引の種類によって報酬の支払額などが違ってきます。そのため、後でトラブルにならないように、最初にはっきりと取引態様を示す必要があります。相手が宅建業者でも同じです。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが、建物の売買に関し広告をし、又は注文を受けた場合の取引態様の明示に関して、Aは、他の宅地建物取引業者から建物の売買に関する注文を受けた場合、取引態様の別を明示する必要はない。(10-34-4) ×


4 宅地建物取引業者Fが自ら売主となって、宅地建物取引業者でないGと宅地の売買契約を締結するに際して手付金を受領する場合において、その手付金が解約手付である旨の定めがないときは、Fが契約の履行に着手していなくても、Gは手付金を放棄して契約の解除をすることができない。


宅建業者は商売ですから、せっかく売買契約を結んだのに、買主から手付解約されるのを防ぐため、手付を解約手付とはしない方法(単なるキャンセル時の違約金とするなど)や、手付の額を高くして、実質的にキャンセルできない方法を取ったりします。


そこで、プロの宅建業者とアマチュアのお客さんとの関係では、宅建業者が受領した手付は、常に解約手付となります。


常に解約手付となるので、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主(お客さん)は、その手付を放棄して、業者は倍額を償還(弁償)して、契約の解除をすることができます。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前の分譲住宅の売買契約(代金5.000万円、手付金 200万円、中間金 200万円)を締結した。この場合に、売買契約で手付金が解約手付であることを定めておかなかった場合でも、Aが契約の履行に着手していなければ、Bは、手付を放棄して契約の解除をすることができる。(9-39-2) ○




44問目 保証協会

ポイント~保証協会の制度を理解しておけ


宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。) に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であるが、一の保証協会の社員となった後に、重ねて他の保証協会の社員となることはできない。


現在は全国で、社団法人全国宅地建物取引業保証協会など2つの団体がありますが、宅建業者はそのうちのどちらかにしか加盟できません。なお、宅建業者は加盟する義務はありません。加盟しないときは、保証金を積めばいいのです。


また、社団法人の会員のことを社員といいますが、いわゆる会社の従業員のことではありません。会員という意味で、とらえて下さい。よって ○


参考過去問
一の保証協会の社員が、同時に他の保証協会の社員となっても差し支えない。(14-43-3) ×


2 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。


保証協会の業務の中で、最も重要なのは弁済業務です。これは、保証金の代わりになるシステムですから、保証協会に加入した宅建業者は、供託所に営業保証金の供託をする必要がありません。


保証協会の社員となるには、加入しようとする日までに、保証協会に入会金を納付しなければなりません。その入会金を、弁済業務保証金分担金(べんさいぎょうむほしょうきんぶんたんきん)といいます。長ったらしい。


そして、納付を受けた保証協会は、それと同額の弁済業務保証金(べんさいぎょうむほしょうきん)と呼ばれる金銭等を供託所に供託します。お客さんは、何かあったときは、その弁済業務保証金から、還付を受けることができるのです。


弁済業務保証金分担金の納付は、保証協会の社員になろうとする日(保証協会に加入しようとする日)までにしなければなりません。この期間内に納付しないときは、社員としての地位を失います。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業保証協会に加入した場合に関して、Aは、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。(13-40-2) ×


3 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入に際して、加入前の宅地建物取引業に関する取引により生じたその者の債務に関し、保証協会から担保の提供を求められることはない。


弁済業務保証金から還付を受けることができるのは、宅建業に関する取引により生じた債権を持っている者です。その業者が保証協会の社員となる前に生じた債権についても、弁済業務保証金から還付を受けることができます。


保証協会はその業者が社員となる前にお客さんが取得した債権についても、弁済義務を負うことになるのです。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業保証協会に加入した場合に関して、Aが保証協会に加入する前に、Aと宅地建物取引業に関し取引をした者は、弁済業務保証金について弁済を受けることができない。(17-45-1) ×


4 保証協会に加入した宅地建物取引業者は、直ちに、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。


保証協会は新たに社員が加入し、または社員がその地位を失ったときは、直ちに、その胸を当該社員である業者が免許を受けた都道府県知事または国土交通大臣に報告する必要があります。報告するのは保証協会です。 よって ×




宅建過去問 平成19年 45問目 お客さん保護のためお上が監視しやすい方法とは

ポイント~お客さん保護のためお上が監視しやすい方法を知っておけ。


宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。)、従業者証明書、従業者名簿、帳簿及び標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1 宅地建物取引業者の従業者は、宅地建物取引業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間、常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、従業者が取引主任者である場合は、取引主任者証の提示をもってこれに代えることができる。


宅建業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者にその従業者であることを証する証明書を携帯させなければその者を業務に従事させてはならず、従業者は、取引関係者の請求があったときは、その証明書を提示しなければなりません。


従業者を業務に従事させる場合に、従業者証明書の代わりに、従業者であることを証明する記章(バッジ)を付けさせてもダメです。また、取引主任者である従業者が、従業者証明書の代わりに取引主任証を提示してもダメです。宅建業法違反です。よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者の従業者である取引主任者は、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは、この証明書に代えて宅地建物取引主任者証を提示すればよい。(15-40-2) ×


2 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、取引の関係者から請求があったときは、当該名簿をその者の閲覧に供しなければならないが、当該名簿を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる。(19-45-2)


宅建業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに従業者名簿を備えて、一定の事項を記載しなければならず、取引関係者からの請求があったときは、宅建業者は従業者名簿をその者の閲覧に供しなければなりません。


また、その従業者名簿は最終の記載をした日から10年間保存する必要があります。名簿は、事務所のパソコンのハードディスクに記録し、ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできます。よって ○


3 宅地建物取引業者は、その事務所ごとにその業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、所定の事項を記載しなければならないが、当該帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンタを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えることで、当該帳簿への記載に代えることができる。


宅建業者は、国土交通省令の定めるところにより、その事務所ごとに業務に関する帳簿を備え、取引のあった都度一定の事項を記載しなければなりません。また、その業務に関する帳簿は、各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後は「5年間保存」しなければなりません。


業務に関する帳簿は、帳簿の閉鎖後5年間保存する必要がありますが、5年間というのは免許の有効期間と同じです。つまり、免許を更新するときに、過去5年間業務上問題がなかった業者かどうかをお上がチェックするわけです。


取引上何かトラブルがあったときに、免許権者がその取引を後で把握出来るようにしておけという趣旨で考えられた規制が、「業務に関する帳簿を備える義務」です。法律はよくできてるなぁ。よって ○


4 宅地建物取引業者は、売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合、当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに、免許証番号、主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。


宅建業者は、事務所等及び事務所等以外の、国土交通省令で定めるその業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める一定の事項を記載した標識を掲げなければなりません。


その場所で、宅建業を行っているのかどうかがわかるように、看板(標識)を掲示しておけということです。もっと簡単に言えばモグリ営業の防止です。


参考過去問
宅地建物取引業者Aが、自ら所有する土地を20区画の一団の宅地に造成し、これを分譲しようとしている。この場合、Aは、現地案内所を設置して、そこで分譲を行おうとしているが、当該案内所には、法第50条第1項による国土交通省令で定める標識(宅地建物取引業者票)を掲げなければならない。
(13-43-3)業務を行う場所ですね。 ○




宅建過去問 平成19年 46問目 住宅金融支援機構法の目的

ポイント~住宅金融公庫から変った、住宅金融支援機構の目的はくれぐれも理解せよ


平成19年4月1日に住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)は廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が設立された。機構の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1 機構は、住宅の建設、購入、改良若しくは移転(以下この問において「建設等」という。)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し、必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供、相談その他の援助を業務として行う。


○情報の提供業務
消費者による最良のローン選択や良質な住宅の建設等が可能となるように、住宅の建設、購入、改良若しくは移転(建設等)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し、必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供、相談その他の援助を業務として行います。よって ○


2 機構は、子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行う。


直接融資業務
原則として、住宅資金の直接融資は廃止して、災害関連、都市居住再生等の一般の金融機関による融通が困難な分野に限り行うこととします。


そして災害関連等一般の金融機関の融資が困難な分野に限って、限定的な直接融資を行います。


以下、機構が直接融資を行うことができるケースです。主要な6つです。これは目を通しておいて下さい。
1、災害で家をなくした人が新しい家を建設、購入する場合
2、災害で家が壊れた人が家を補修する場合
3、阪神淡路大震災に対処するための法律の規定による貸付
4、高齢者や子供に適した良好な住宅性能を有する賃貸住宅を建設する場合子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した、良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行います。
5、高齢者に適した良好な住宅性能を有する住宅に改良する場合
6、マンションの共用部分の改良に必要な場合
よって ○


3 機構は、事業主又は事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付に係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し、財形住宅貸付業務を行う。


これは、少し細かいので概要だけ覚えればOK.事業主又は事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付に係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し、財形住宅貸付業務を行います。貸付を受けることができない労働者に対する弱者対策ですね。○


4 機構は、公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けのうち、機構の設立から半年以内に実行するものに限り、資金の貸付けを業務として行う。


住宅金融公庫の権利及び義務を承継して、住宅金融公庫の既往債権の管理・回収業務を行います。これまで、住宅金融公庫が行ってきた権利と義務を承継して、その債権の管理と回収業務を行います。半年以内などの制限はありません。よって ×


参考過去問
平成19年4月に独立行政法人住宅金融支援機構が設立されるが、住宅金融公庫が貸付けた住宅ローンの貸付金の回収は、引き続き公庫が行う。(18-46-1)×


問題自体は細かいことを聞いていますが、正解肢の4番は平成18年にもきかれていることですね。ですから、基本的なことを押さえるという意味では好きな問題だったりします。




宅建過去問 平成19年 47問目 不当景品類及び不当表示防止法

宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。


景品表示法とは、不当景品類及び不当表示防止法の略です(景表法と略する場合もあります)。景品表示法は、事業者間の公正な競争(価格と品質のみによる競争)を確保することを目的にしています。事業者間の公正な競争を確保することで、最終的には消費者を保護することになるからです。


同じ商品であれば、価格の安い物・品質の良い物が売れるはずなのですが、価格の高い物・品質の悪い物が売れる場合もありますよね。


その原因の一つは、不当景品類(過大なおまけ)の提供や、不当表示(ウソや大げさな広告)です。景品表示法が立法された背景は、当たり前のことですが、過大なおまけや、うそ、大げさな広告はいけませんということです。


1 新築分譲マンションの広告に住宅ローンについて記載する場合、返済例を表示すれば、当該住宅ローンを扱っている金融機関の名称や融資限度額等について表示する必要はない。


融資等の条件
a.銀行その他の金融機関のローンについては、金融機関の名称・商号、提携ローンその他そのあっせんの種別、融資限度額、返済期間、利息の実質年率等を明らかにして表示すること。
b.不動産ローンの返済例を表示する場合に、利息の計算方法が変動金利制によるときは、実質年率を表示すること。 よって ×


参考過去問
宅地建物取引業者が、不動産の販売広告において、割賦による支払条件についての金利を表示する場合、アドオン方式による利率を記載しても、実質年率を記載しないときは、不当表示となるおそれがある。(5-31-3) ○


2 マンションの広告を行う場合、当該マンションが建築後2年経過していたとしても、居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。


不動産の形質関係
新築という文言は、建築後1年未満であって居住の用に供されたことがないものであるという意味で用いること。新築とは1年以内の未入居物件。よって 間×


過去問
Aは、建物の売買の媒介を依頼されたところ、当該建物は工事完成後10ヵ月が経過しているものの未使用であったので、当該物件を新築物件として販売広告してもよい。(13-47-1) ○


3 1枚の新聞折込みチラシに多数の新築分譲住宅の広告を掲載する場合には、物件ごとの表示スペースが限られてしまうため、各物件の所在地を表示すれば、交通の利便に関する表示は省略することができる。


交通
これは、読んだ瞬間に間違いだとわかりますよね。ご近所さんだけが買うわけではないので、交通の表示をしないとわけがわかりません。×


参考過去問
現在の最寄駅よりも近くに新駅の設置が予定されている分譲住宅の販売広告を行うに当たり、当該鉄道事業者が新駅設置及びその予定時期を公表している場合、広告の中に新駅設置の予定時期を明示して、新駅を表示してもよい。(14-47-2)


公表されていれば問題ありません。○です。推定は駄目よ。


4 残戸数が1戸の新築分譲住宅の広告を行う場合、建物の面積は延べ面積を表示し、これに車庫の面積を含むときには、車庫の面積を含む旨及びその面積を表示する必要がある。


建物の面積は、延べ面積を表示し、車庫や地下室部分の面積は表示しなければなりません。これはわかりますよね。常識的な感覚で解けます。よって ○




宅建過去問 平成19年 48問目 不動産の統計問題

ポイント~統計は覚えてしまえば簡単よ。


統計問題は食わず嫌いの方が多いのですが、問題自体はやさしいので、覚えてしまえば得点元になります。細かい数字よりも全体の流れをつかむこと(マンションの数は減っているのか、地価はどうなんだとか)。


なお、統計の過去問は、今年度統計に変えてあります。


宅地建物の統計等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 平成19年地価公示(平成19年3月公表)によれば、平成18年の1年間の地価変動率は、全国平均で住宅地がマイナス1.5%、商業地がプラス2.3%となり、住宅地は引き続き下落しているが、商業地は平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。


○平成17年3月の地価公示
住宅地、全国 4.6%下落、三大都市圏 3.7%下落、地方圏 5.4%下落
商業地、全国 5.6%下落、三大都市圏 3.2%下落、地方圏 7.5%下落


○平成18年3月の地価公示
住宅地、全国 2.7%下落、三大都市圏 1.2%下落、地方圏 4.2%下落
商業地、全国 2.7%下落、三大都市圏 +1.0%(上昇)、地方圏 5.5%下落
三大都市圏の地価が15年ぶりに1.0%上昇しました。


○平成19年3月の地価公示
住宅地、全国 0.1%上昇、三大都市圏 2.8%上昇、地方圏 2.7%下落
商業地、全国 2.3%上昇、三大都市圏 8.9%上昇、地方圏 2.8%下落
よって問題は ×


○「三大都市圏」とは東京圏・大阪圏・名古屋圏の平均値を、地方圏とは三大都市圏を除く圏域の平均値を指します。


参考過去問
平成19年地価公示(平成19年3月公表)によれば、平成19年の1年間の地価は、全国平均で見ると引き続き下落しているが、商業地については上昇した。(18-48-3)×


2 建築着工統計(国土交通省)によれば、平成17年度の新設住宅着工戸数は約115万戸で、対前年度比では約1.7%減となり、 2年連続の減少となった。


着工統計とは、どのくらいの新しい建築物が建て始められたか、または新設建築物の着工床面積(あるいは1戸当たりの平均床面積)は、どれくらいかということに関する統計です。


そして、建築着工統計のうち住宅だけを取り出したものを、「住宅着工統計」といいますが、国土交通省が統計を出しています。最近の新設住宅着工戸数は、次のようになっています。


平成17年
分譲住宅 36万9千(6.8%増加)3年連続の増加
持家   35万3千(4.5%減少)2年連続の減少
貸家   50万4千(8.5%増加)5年連増の増加
給与住宅 9千5百(9.5%増加)前年の減少から増加
合計  123万6千(4.0%増加)3年連続の増加


平成18年
分譲住宅 37万9千(2.7%増加)4年連続の増加
持家   35万8千(1.5%増加)3年ぶりの増加
貸家   54万3千(7.8%増加)6年連増の増加
給与住宅 9千2百(3.3%減少)前年の増加から減少
合計  129万(4.4%増加)4年連続の増加 よって ×


参考過去問
建築着工統計(国土交通省)によれば、平成18年度の新設住宅着工戸数は、約129万戸で、前年度比では約4.4%増となり、4年連続の増加となった。(18-48-4) ○


3 平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば、平成17年の売買による土地所有権移転登記の件数は全国で約158万件となっており、2年連続の増加となった。


売買による土地取引件数(売買による土地の所有権移転登記の件数)は次の通りで、平成14年は160万件、平成15年は161万件、平成16年は160万件、平成17年は158万件です。よって ×


参考過去問
土地白書(平成18年6月公表)によれば、全国の売買による土地の所有権移転登記の件数は、平成9年から平成16年まで、毎年前年比で増加を続けている(12-46-2)


4 平成17年度法人企業統計年報(財務省)によれば、平成17年度における不動産業の売上高は約34兆5,000億円で、全産業の売上高の約2.3%を占めている。


最近の不動産業の売上高は次のようになります。2年連続の増加です。
平成14年度、33.5兆円、平成15年度、33.6兆円、平成16年度、33.3兆円、平成17年度、34.5兆円。全産業の売上高の約2.3%を占めています。
よって ○


参考過去問 ※問題は難しそうですが、まったく同じ過去問が出ています。
平成18年度法人企業統計 (財務省) によれば、平成17年度の不動産業の売上高は約34兆5.000億円で、全産業の約3%を占めている。(17-48-2)


これは、3%なので、×




宅建過去問 平成19年 49問目 不動産と土地・建物

ポイント~地盤が弱ければ宅地には向かないんだよ。


地盤の特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1 谷底平野は、周辺が山に囲まれ、小川や水路が多く、ローム、砂礫等が堆積した良質な地盤であり、宅地に適している。


○谷底平野(たにぞこへいや)とは
河川の堆積作用によって形成される沖積平野(ちゅうせきへいや)のうち、山間部の谷底に形成されるものを指します。山間部において、河川の運搬する土砂が多く、侵食作用より堆積作用の方が上回るときに、谷底に幅が狭く細長い谷が発達していくものです。


土砂の堆積によるものと理解すればOKです。粘土質で柔らかい場合が多く、一般的には建物の土地としては不向きです。よって ×


2 後背湿地は、自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり、水田に利用されることが多く、宅地としての利用は少ない。


後背湿地とは、自然堤防や砂州などの微高地の背後にある低地のことです。 洪水などで溢れた氾濫水が河川へ排水されず、長期間滞水してできた非常に軟弱な湿地になるため、水田などの利用が多くなります。よって、○


参考過去問
丘陵地や台地内の小さな谷間は、軟弱地盤であることが多く、これを埋土して造成された宅地では、地盤沈下や排水不良を生じることが多い。(9-50-1) ○


3 三角州は、河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり、地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。


液状化現象→地震のゆれにより、地下水に砂が混じり地表に湧き出してくることをいいます。液状化現象は、砂の粒の大きさが揃っている地盤で、かつ地下水位の高い(浅い)地域で発生します。よって ○


参考過去問
丘陵地帯で地下水位が深く、固結した砂質土で形成された地盤の場合、地震時は液状化する可能性が高い。(14-49-4)×


4 旧河道は、沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり、建物の不同沈下が発生しやすい。


旧河道とは
昔の河の後です。川底だった所ですから周辺より低く、軟弱地盤・水はけが悪い等の特長を有しているので、宅地として選定するには注意を要します。


旧河道は、それを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなることが多くなり、軟弱地盤となるので、地盤の支持力が小さくなります。そのため、宅地には不適当であることが多くなります。 よって ○


参考過去問
旧河道でそれを埋める堆積物の上部が厚い粘土質からなるときは、軟弱地盤である可能性が高い。(14-49-1) ○




宅建過去問 平成19年 50問目 建物の知識

ポイント~推論の問題です。


建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 防火地域内に建築する仮設建築物の基礎に木ぐいを用いる場合、その木ぐいは、平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き、常水面下にあるようにしなければならない。


建築物の基礎に木ぐいを使用する場合においては、その木ぐいは、平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き、常水面(じょうすいめん)下にあるようにしなければなりません。


常水面とは、水位変動の平均水面のことですが、それの下にある方が建物として強くなるということです。常識の感覚の問題。


2 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合においては、その方向における速度圧は、一定程度まで減らすことができる。


風圧力は、速度圧に風力係数で計算します。簡単に言うと、スピードと力です。


建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物、防風林その他これらに類するものがある場合、その方向における速度圧は、一定程度(2分の1まで)まで減らすことができます。よって ○


有効にさえぎるものがあるのですから、減らすことができます。○


3 積雪荷重の計算に当たり、雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。


これも問題通り。状況に応じてです。○

4 高さが60mを超える建築物を建築する場合、国土交通大臣の認定を受ければ、その構造方法を耐久性等関係規定に適合させる必要はない。


超高層ビルの構造方法は耐久性等関係法規に適合し、かつ国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって、安全性が確かめられたものとして、国土交通大臣の認定を受けたものとしなければなりません。よって ×


「この問題は、はっきり言いまして、知識よりは国語力と推論の問題です。」問題全体を読んだときい、4番の高さ60m=厳しくなるはず という点を考えれば、他の肢に比べて4番が誤りの可能性が高いという推定論になります。


建築法規の細かいところなど覚えることはできません。このような、文章推論の問題があるということも覚えておいて下さい。結構、好きな問題だったりしますが。






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