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代理とは
代理権授与
復代理人(ふくだいりにん)
代理権の消滅
無権代理
宅建試験過去問 委任の解除 平成18年度 第9問目1・4肢
平成20年 宅建試験過去問 問3 代理関係

代理とは

さて、今回からは代理です。契約は本人自身が行うのが原則です。しかし、例えば制限行為能力者であれば、親御さんに任せた方が安心ですし、また、売却や賃貸の依頼を、その道のプロである不動産屋さんに頼む場合も数多くあるでしょう。


このように人に頼んで任せる行為を代理といいます。代理が不動産屋さんの主な仕事ですから、非常に重要で、過去問の量も多いところです。


他人が本人の代わりになった方が人の利益になる場合に、代理をその他人にお願いすることが多くあります。その代理の中で、先日お話した、制限行為能力者の親御さんなどは、法で規定されているから法定代理、不動産屋さんなどは任意に契約を結ぶわけですから、任意代理と言います。


法定代理  本人 → 法定代理人(親御さんなど)
 
任意代理  本人 → 任意代理人(不動産屋さんなど)


代理はあくまでも、本人の利益のためのものです。そのため、代理行為は次の3つにまとめられます。


1.本人から任された権限の範囲内で、
2.本人のためにする意思表示をして、
3.その効果(結果)は本人に帰属致します。

この3つは覚えておいて下さいね。


過去問


代理人が権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、直接本人に対してその効力を生ずる。(50-3-1)


ヒント 代理人は誰のためにその行為をするのでしょう。





代理権授与

さて、代理権があるということは、逆に言えば代理権を授与する必要があります。つまり、最初に代理権を与える必要があるのです。


まず、法定代理は法律が代理権を与えています。任意代理は本人が代理権を与えています。


しかし、困ったことに代理権の範囲が不明確な場合があります。例えばお年寄りで、家のことはあなたに全て任せる。信用しているからなどと言う場合があるでしょう。こういう場合の代理人を「権限の定めのない代理人」と言います。とは言っても、適当に売っていいものでもありませんよね。そのため、規定を設けました。


権限の定めのない代理人は、次の3つの行為しか出来ません。


1. 保存行為…現状を維持することです。例えばペンキが剥げたら塗るなど


2. 利用行為…性質を変えない範囲で収益つまり儲けを図ることです。建物の一部のみ賃貸に出すなどです。


3. 改良行為…性質を変えない範囲で価値を増すことです。例えば光ファイバーを新しく引くなど。


全て、本人の利益になる行為ですね。当然その行為に掛かったお金は本人の負担になります。


過去問

Aが、B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む。)についてBから代理権を授与されている場合にAが、買主を探索中、台風によって破損した建物の一部を、Bに無断で第三者に修繕させた場合、Bには、修繕代金を負担する義務はない13-8-3)

ヒント 本人のためになることはしてもよいのですが、本人の利益ですからお金は出しましょう。


×




復代理人(ふくだいりにん)

さて、代理人がさらに代理人を選任した方が本人の利益になる場合があります。つまり、代理人の代理人です。


例えば下のような場合ですね。不動産屋さんも得意な地域など、得意不得意があります。そのため、入居者探しを他の不動産屋さんにも依頼致しました。


本人 → 不動産屋さん → 不動産屋さん →相手方


代理人から、さらに代理人として選任された者を復代理人(ふくだいりにん)と言います。


復代理人を選任出来るのは本人ではなく、「代理人」です。でも、当然、勝手に選任していいものではありませんよね。特定の理由がある場合などに、選任するのです。


しかし、あくまでも復代理人は本人の代理人です。本人の利益のために、選任するわけですから。この本人の代理人というのが重要。


過去問

復代理人は、代理人を代理するのではなく、直接に本人を代理する。(59-4-1)


ヒント 復代理人は誰の代理人でしょうか。





代理権の消滅

さて、せっかくの代理人の権限ですが、代理人に選んだのはいいけれど、実はあまりふさわしく無かった人だった場合に、そのまま任せるわけにはいきませんよね。そこで、代理人の代理権は、次のどれかの事由があると当然に消滅します。


1. 任意代理の場合は

本人の死亡または破産手続開始の決定

代理人の死亡または破産手続開始の決定・後見開始の審判


2. 法定代理の場合は

本人の死亡

代理人の死亡または破産手続開始の決定・後見開始の審判


本人の死亡・代理人の死亡はわかりますよね。死んでしまえば終わりです。また、代理人の破産手続開始の決定・後見開始の審判があったときは、要するに代理人自身が大変なのです。とても、人様の代理をしている場合ではないでしょう。


違うのは一つだけ。本人の破産手続開始の決定です。この場合に法定代理は消滅しません。本人が破産手続開始の決定したとはいっても、親子の間や夫婦の間で肉親でなくなるわけではありませんし、法定代理権を行使するのに、別段問題はありません。ですから、この場合は消滅しないのです。


何?借金するやつは、うちの子じゃない?気持ちはわかる・・。でも法律的には、消滅しません。


過去問

Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合に、Bは、Aが死亡した後でも、Aの代理人としてこの土地を売却できる。(12-1-4)


ヒント 死んでしまったら終わりでしょう。

×




無権代理

代理が成立するには、代理権が必要です。つまり、代理人が権限外(代理権の範囲外)の契約をしても、原則として代理は成立致しません。


このような代理権以上の行為をしたことを、無権代理と言います。それでは、代理人が勝手に権利の無いことをした場合はどうなるのでしょうか。


無権代理の場合は、原則として代理が成立致しません。つまり、無権代理人が行った契約は、原則として無効になります。


それは、そうですよね。不動産屋さんに賃貸の依頼をしていたのに、勝手に家を売られてしまったら、困ってしまいますよね。そのため、無効になります。


また、次の場合も無権代理と同じ無効になります。


双方代理が行われた場合です。双方代理とは、代理人が本人と相手方の双方の代理人を兼ねることです。


本人A → 代理人B=代理人B ← 相手方C


両方を代理したばあいは、必ずどちらか利益のために動きますよね。例えば、報酬が多い方などに付きます。つまり、どちらかに偏ります。ですから、両方の代理は禁止にしました。


ただし、本人と相手方の両方が双方代理に同意していれば、双方代理は禁止されず、無権代理として無効にはなりません。双方が了解しているわけですから。この典型が、不動産屋さんです。不動産屋さんの仲介業務なのです。


過去問

AがBから代理権を与えられて、契約を締結し、又は締結しようとする場合にAがBからB所有建物の賃貸の代理権を与えられている場合、Aは、B及び賃借人Dの同意があれば、Dの代理人にもなることができる。(3-3-4)


ヒント そもそも双方代理は有効なのでしょうか?その例外は?





宅建試験過去問 委任の解除 平成18年度 第9問目1・4肢

委任契約は、無償であるか有償であるかを問わず、委任者・受任者の当事者いずれからでも、いつでも解除できます。


契約を解除するには相手方に債務不履行があったなどの一定の理由がいるのが民法の建前ですが、委任契約の解除にはそのような要件はいりません。委任契約は、当事者同士の信頼関係を元にしていますので、その関係が崩れたらやっていけないからです。


もし、相手に不利益があれば損害を賠償するのが原則ですが、相手に不利益がなければ支払う必要はありません。


また、委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負います。相手方保護の必要があるからです。

過去問
委任契約は、原則として、委任者又は受任者のいずれにおいても、いつでも解除することができる。(59-11-1)


平成18年
委任契約は、委任者又は受任者のいずれからも、いつでもその解除をすることができる。ただし、相手方に不利な時期に委任契約の解除をしたときは、相手方に対して損害賠償責任を負う場合がある。(18-9-1)


委任契約の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、相手方に対抗することができず、そのときまで当事者は委任契約上の義務を負う。(18-9-4)


○、○、○




平成20年 宅建試験過去問 問3 代理関係

AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。


1 Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、A自らが買主となって売買契約を締結したときは、Aは甲土地の所有権を当然に取得する。


(ポイント)自己契約 代理人と相手方が同じです。
この場合は、Aの代理人なのに、B、つまり自分の利益のために動きますよね。


そのため、無効にしています。勿論、本人Aがあらかじめ許諾をしていれば、何も問題はないので有効ですよ。 ×


(参考過去問)Aが、Bに代理権を授与してA所有の土地を売却する場合に、Bは、Aのあらかじめの許諾がなければ、この土地の買主になることができない。(12-1-3) ○


2 Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合、AがCの代理人となってBC間の売買契約を締結したときは、Cは甲土地の所有権を当然に取得する。


(ポイント)双方代理 双方の代理人
双方代理が行われた場合、無効です。双方代理とは、代理人が本人と相手方の双方の代理人を兼ねることです


両方を代理した場合は、必ずどちらかの利益のために動きます。
例えば、報酬が多い方などに付きます。どちらかに偏ります。
ですから、両方からの代理は禁止にしました。


ただし、本人と相手方の両方が、双方代理にあらかじめ許諾していれば、双方代理は禁止されず、無権代理として無効にはなりません。


双方が了解しているわけですから。
この典型が、不動産屋さんです。不動産屋さんの仲介業務なのです。民法と宅建業法の流れがわかってきたでしょ。


(参考過去問)Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合に、AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で、所有権移転登記の申請についてCのあらかじめの許諾があったとき、Aは、B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。(8-2-1) ○


3 Aが無権代理人であってDとの間で売買契約を締結した後に、Bの死亡によりAが単独でBを相続した場合、Dは甲土地の所有権を当然に取得する。


4 Aが無権代理人であってEとの間で売買契約を締結した後に、Aの死亡によりBが単独でAを相続した場合、Eは甲土地の所有権を当然に取得する。


(ポイント)相続と代理
裁判で争われたケースですが、この場合、有効になるとの判例がでています。
相続というのは全ての権利を引き継ぐからです。


ちなみに、相続人が何人かいたら、どうでしょうか。
この場合、他の相続人は何も悪くないため、他の相続人が承諾をしない限りは無効です。よって3は ○


一方4は、本人が無権代理人を相続した場合です。
例えば、本人が、ドラ息子の無権代理行為を見過ごしているなどの過失がある場合は別として、「当然に」有効とはなりません。


だって、本人は原則的に悪くないからです。よって ×


(参考過去問)Aの子BがAの代理人と偽って、Aの所有地についてCと売買契約を締結した場合に、Aが死亡してBがAを単独で相続した場合、Bは、Aが売買契約を追認していなくても、Cに対して当該土地を引き渡さなければならない。(5-2-4) ○


全て「当然に」という表現が出ますが、内容を読めばわかる問題。感覚の問題です。
できなければ駄目。






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